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Twitter婚活で病んだ話【中編】

彼と合流したあと、わたしたちは早速飲み始めた。
わたしはプロフィールこそ出していなかったから、彼はよくやってきたと感心する。
とんでもないブス且つとんでもないババアが来たらどうするつもりだったのだろう。
わたしはリサーチにより、彼よりわたしの歳が下なことは知っていた。

私たちは、簡単に自己紹介をした。
歳が近いことを喜んだ。名刺を交換した。
なんだか不思議だった。今思えば、キモヲタが来るのでは?と不安だった気持ちを、彼が吹き飛ばしてくれたことに舞い上がっていたのかな。

お互い、思っていた人「以上」がやってきたようで、お酒も進んだ。
わたしは初体験に頭がパヤパヤして馬鹿になっていた。

彼は自分のことをたくさん話してくれた。
が、わたしは序盤で『アッ、この人合わないかも』とジャッジをしていた。
なぜならわたしが婚活軸でNGとしている項目に、数個当てはまっていたから。

それでも2件目に行ったのは、多分初体験のTwitter婚活に舞い上がっていたから。

純粋に楽しかった。
知らない人に会って、その人の世界を知るのが楽しくて仕方なかった。

2件目で甘いビールを飲んでいる途中、常套句が飛び出した。

「○○さんは、俺のこと恋愛対象に見てくれまか?」

早いなぁ。
わたしは結婚していないし、彼氏すらいないけれど場数を踏んでいる。
なんで答えたらいいのか、パヤパヤする頭で考えて、すぐに答えを出した。

「まだ会ったばかりでわからないけど、今日とっても楽しい。また会いたいと思ってる!」

彼は喜んでいたし、わたしの本日の業務は遂行された、と心の中でガッツポーズをした。

東京タワーが見える場所で手を振り別れた後、彼からはすぐラインが来た。

その日二度目のガッツポーズをした。

✳︎✳︎

その後、数回飲みに行ったがなんだか盛り上がらなかった。
おそらく、お互い重要視するものが違うのが大きな原因のような気はしていた。

わたしは意外とお嬢様で、家庭は仲良くないが大学までほぼエスカレーター式でストレートに卒業している。
仕事も、割と長くやってるし周りから見たら恵まれているほうだと思う。
本当は黒くて汚い、ドロドロの汚い人間なのに。

彼は正反対だった。
わたしが会ったことないタイプの人間。
でも嫌じゃなくて、知りたかった。
頑張り屋さんの彼は可愛かったし、歳は上だけどなんだか弟を見ているみたいだった(いないけど)。

ただ、結婚となると無理かなと、冷めた頭でジャッジしていた。

多分、彼はそのわたしの気持ちを見透かしていたんだろうな。


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