産後本を読めなくなった私が文章を仕事にするまで⑨
社会に出よう。
仕事しよう。
とは思ったものの、まだ1歳の息子は手元にいる。
何なら3歳の次女も春まで幼稚園はない。
普通にどこかでパート、なんていうのは不可能だった。
また、たとえ息子が幼稚園に通い始めて
全ての子供がいない空き時間ができても
私の場合、勤めに出るのは難しいかもしれない。
息子は先天性疾患の後遺症で肺が片方しかなく
ただの風邪でも車で1時間以上かかる大病院にいく必要がある。
そのまま入院なんていうことも普通にあった。
実家も義理の実家も飛行機の距離。
大黒柱の夫も激務で、とてもじゃないが私の仕事ごときで頼れない。
急に仕事を休んだりして職場にも迷惑をかけたあげく
「休みます」と言うことに疲れて辞めてしまう未来がありありと見えた。
それまで、なんとなく一般的なイメージで
「子供が手を離れたらパートして~」
なんて思ってたが、わが家の「子供が手を離れる」はいつだ?
息子が幼稚園になったって大してリスクは減らないだろう。
むしろ集団生活によって感染のリスクは上がる。
イレギュラーな入院なんかも十分にありえるだろう。
そもそも、息子だけの話じゃないのだ。
娘たちだってこれから何かしらのトラブルがあるかもしれない。
実家が遠いのも、夫の仕事の仕方も、変わらないのだから
少なくとも私は臨機応変に動ける仕事を見つけておかないと続けられない。
在宅フリーランス。
働き方としてはぴったりだ。
でも、妙に高い学歴以外、資格も職歴もない私に仕事なんかある?
ないかもしれないけどやってみないとわからない。
幸い、家計的にはあと何年か猶予があった。
まずは働く土壌作りだ。
3人の子供の寝顔を見届けて、
私はわくわくしながらスマホを取り出した。
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