企業は駐在員・帯同家族説明会の内容そろそろ変えた方が良い
旦那の駐在が決まってから、
彼の会社が主催する帯同家族説明会に参加した。
初めての帯同となる予定だったし、どんなものだろうという気持ちと、
帯同した暁に働こうとしていたので↓
それに際しての条件や制限など旦那から又聞きするよりも直接人事の人と話したいと思い、
旦那の顔に泥を塗らぬよう、一応自分なりのオシャレをして張り切って馳せ参じた。
まずは、旦那の駐在予定の国と苗字を書かされて机に置いて着席。
予想通り会場は女性ばかり。
海外での子供の教育の話から始まり、
その道何十年的なドクターが出てきて、
各国の医療の違いやご親切に英語含め、各国の言葉での体調不良の訴え方の冊子までプレゼント。
ほうほう、なかなか良いではないか。
さすか内資系企業は家族にまで優しく、福利厚生のレベルが違うなーと思っていたところ、
帯同家族がメンタルをやられるリスクの話になる。
ドクター: わたくしの研究によると、渡航前アンケートで『行きたい』と思っていた方のが『行きたくない』と思っていた方よりもメンタルの問題を発症しにくいという結果が出ました。(ドヤ顔
なるほどなるほど。
ん...?当たり前じゃないか?笑
ドクター: ということで、とにかく、あなた達は「旦那さんについて行きたい」
是非、そう思ってください。思い込んでください。そう思っていれば辛くないです。
え?宗教?怖
心にモヤモヤを抱えたまま、
さらにその道のプロみたいな人が入れ替わり立ち替わり登場、
なんだかマッチョで守ってくれそうなお兄さんが海外でのリスク対策の話をしてくれたり、
危険があった時どうすればいいかなど講義をうける。
そして、最後に、満を辞して、
上品で素敵なおばさまが微笑みながら登場。
自称『元祖駐妻』らしい。
これがまたお話がうまい。
今までの生活やキャリアを中断され、また子供の教育など心配でいっぱいな妻達の気持ちに共感し、寄り添う。
自分たちの心が見透かされているかのよう。
そうそう!そうなんです!と
(実際には誰も何も言わないが)
会場全体に熱気が充満するのが分かる。
なんなら、涙が出そうだった。
自分の駐妻体験談を交えつつ語る元祖駐妻から、
どういう風な心持ちでこの困難を乗り越えるべきかの教えを受けるプレ駐妻たち。
元祖: あなたたちが絶対にやってはいけないことがあります。
プレ駐妻たち: なんだなんだ(心の声)
元祖: どんなに辛くても旦那さんにネガティブなことを言わないでください。
異文化の中で疲れ切った旦那さんに愚痴や文句を言っても何も解決になりません。二人で傷つけ合って戦っても不毛です。
旦那の前ではあっけらかんと、ポジティブに。笑顔で仕事に送り出してください。
そして愚痴は日本にいるお友達や実家のお母さんに言えばいいのです。
たーしかに。
たしかに...
?
たしかに夫婦が揉めない方法としては一理ある。
一理あるが、
妻だけが我慢するのか...?
ここで気づく。
この帯同家族説明会は家族のための福利厚生ではなく、旦那のための福利厚生なのだ。
妻が駐在先に適応できず身も心がやられる、もしくは妻「あなたのせいで!」とキレキャラモンスターと化する
→妻帰国
→旦那の家庭でのサポートがなくなる
→旦那の仕事でのパフォーマンスが落ちる
このシナリオを会社は避けたい。
そのための会だ。
そして、何故妻は旦那を「送り出す」設定なのか。妻も共に出社する、というシナリオは想定されていないのか。
私のモヤモヤがマックスになったところで人事にバトンタッチされたが、もちろん特に妻が働く上での条件などの説明はない。
極め付けは一連の説明が終了後、モヤモヤを隠しながら人事のところに質問しに行った際。
私: すみません。夫の駐在先で働く場合のビザや制度に関して夫から相談がいっていると思いますが、追加で確認させてください。
人事: それは、扶養の中でですよね?そしたら....
私: いや、扶養の範囲外です。
人事: えっ?(・・)
いや、逆にこっちが「え?」
後ほど確認して連絡するとなったが、
嬉しかったのは、それを見ていた別のプレ駐妻さんが、
私も同じ質問なんですけど、と私の後に人事のところに歩みよって行ったこと。
心の中でそれみろと、
ガッツポーズをしながら、颯爽と会場を後にしてやった。
そして、
私はこの時から、いつか帯同家族説明会に(自称元祖)働く駐妻として登壇してやろうと決意した。
_(:3 」∠)__(:3 」∠)__(:3 」∠)_
説明会自体は素晴らしい。
が、こんなに女性の生き方が多様化している中で、専業主婦一択の説明会ってどうなのか。
というか、そもそも参加者が女性だけ想定ってどうなのか。
そこが変わらなければ、色々変わらぬぞ、
ジャパニーズカンパニー。
まぁ...
結局私は渡航出来てないから、
誰か私の代わりに元祖働く駐妻として登壇する夢実現してくれないかしら。
と思っている今日この頃なのだが、
幸いnoteにはたくさんそういった働く駐妻さんや仕事も頑張りたいと思っている女性たちがいるようで、
私は心の底からすごく嬉しい。
完。
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