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何の仕事しているかよくわからないおじさんは会社に必要かという議論

「あのおじさんなんの仕事してるの?ほんとに仕事してるのかな?」

と中二病若手時代に同期とディスっていたおじさんが、

会社を辞めることになった。

大規模な組織改変の一貫で、

海外本社ではリストラ、日本法人では早期退職プログラムがはじまったうちの会社では、

こうしてたくさんの人がいなくなっている。

「本人のご意志で早期退職を選ばれました」とアナウンスがあったものの、

最終出社日は誰にも知らせず、

静かに辞めたいとのことだった。

果たして本当に本人のご意思だったのだろうか。

たしかに、もうメインプロジェクトは外れてサポート業務らしきことばかりやっていたし、

外資なのにまるで英語もしゃべれないし、

出来る人だったとは言い難いが、

どこか憎めない、

とても愛くるしい人だった。

席替えでおじさんが座っていた席に移動になったときに、

「僕が使っていた避難時のヘルメット使いたくないですよね!」と、

そそくさとヘルメットごと席移動していったおじさん。

会社休日のことを聞いたら、

任せてくださいと、

長年の会社知識を嬉々として教えてくれたおじさん。

誰も知らない古い紙の資料の場所を全て把握していたおじさん。

プライドないんかいって思うくらい、

若手の意見も、うんうんと聞き入れちゃうおじさん。

チャットとか電話すればいいのに、

この方が早いんで!と、

別部署の人のところまで突撃して、直接話に行っていたおじさん。

コロナよりもっと前にフリーアドレスやテレワークが普通になったうちの会社で、

やっぱり会議は人の顔が見たいですと一人言い続けていたおじさん。

そして、ギスギスした会議も、

なんだかふにゃっとさせるというか、

知らないうちに空気を和ませてくれていたおじさん。

海外本社、日本法人問わず、

こういった

愛くるしいけど、仕事は何やってるかあんまりよくわからない「おじさんたち」がどんどんいなくなっていく。

会社は年功序列ではなく実力主義であるべきで、

出来ない人、時代についてけない人は、どんどん入れ替わるべきである派な私だが、

思いの外こうしておじさんたちの記憶がフラッシュバックしている。

そして、果たして

こういう人たちが何もしていなかったのか、

本当に会社に不要な人材だったのか、と

自問自答している。


おじさんがいない新しいグループのキックオフミーティングは、

なんだかとっても

ギクシャクしていた。

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