星の音が聞こえない場所で書く日記
雨が降り続いていますね…。既に大きな被害も出ているようで、やりきれない思いです。
西日本豪雨災害からちょうど2年というタイミングでの大雨は、まだ生々しい記憶を蘇らせて、その記憶にぶらさがっている、名前をつけきれていない感情を首でも絞めるかのように両手でぎゅっと掴んできます。
あの時、家にも身体にも被害は無かったけど、生活にはかなり影響が出たし、変わり果てた風景にはどうしたらいいのかわからなかったし、何よりも「自分はどうやら死んでいても構わない存在だったらしい」と気付いたことが結局いちばんショックでした。
雨が止んで被害状況が明るみになった直後などは、一種のアドレナリンでも出ているのか、起きたことは仕方ないや頑張ろうと思えても、落ち着いてくるに従って「反動」が起こるんじゃないかという気がしました。
結局人間は、他人の間でしか生きられない。些細な言葉でもそれが暖かければ、その人を救うかもしれない。人は身体だけで出来ているのではないから。
それを、覚えていて欲しいと思う。それは、時にある程度の関係性を相手との間に持つ、あなた自身でなければできないことかもしれない。
避難についてとかどんな対策が有効とか、そういった話は私には専門的な知識も体験談もないし、そのすべてが正解でもないでしょうから、余計なことを書くべきではないと思ってます。
せっかく助かった命を、孤独が簡単に殺してしまうのは本当にやりきれないから。邪魔にならない程度に、誰かに寄り添っていてあげて欲しい、そんな気持ちです。
雨の音がすっかりトラウマになってしまって、避難情報を告げる音が携帯から鳴り響く度に心臓が冷たくなるようで、不安が私を無機質な床に縛り付ける。天から落ちる激しい雨の柱でできた牢獄。私は2年経っても、この孤独の牢獄から出てくることができなかったのだわ。
織姫と彦星はよっぽど怒りに触れるようなことをしたのだろうか、毎年のように雨なんて。織姫と彦星にも理由があったかもしれないのに。雨もこんな時には凶器だけど、恵みをもたらす存在でもある。すべては多面体で、見えているものだけが本当じゃないのに、たった一部だけを切り取って、それがすべてのように思い込んでしまう場合と人間が、なんと多いことだろう。
渡し舟を巻き込んで激流を乗り越えてでも彦星に会いに行こうとする織姫もいるかもしれないけど、彦星に会いたい気持ちをそっと閉じ込めて雨に祈るだけの織姫がいてもいいし、彦星はそこまでして会いに来なくていいよ織姫、って思ってるかもしれないし、逆に織姫だけに会いに来させるズルい彦星かもしれないし。
雨の柱の牢獄にいる織姫は天の川を渡れない。彦星は織姫をそこに閉じ込めたままで平気なのかもしれないし、彦星もまた別の次元から来た織姫のせいで動けないのかもしれないし、そもそもこの物語には最初から彦星なんていないのかもしれない。
だんだん元の話がわからなくなってきてるわ。そんなことを考えても今は無駄でしかないのに、そんなことばかり頭に浮かぶ。きっとまたおかしな人間だと笑いたい人が、凶器の雨みたいな人が集まってくるんだわ…。
どうか、どうしようもなかったこと以外のことで苦しむ人がいませんように。なんて祈ればいいのかわからないから、こう祈ってみます。
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