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MBTIの各性格タイプにおける問題解決思考の傾向、簡易まとめ


はじめに

MBTIの各性格タイプについて、問題解決にあたって多用する、または、得意とする思考法に違いが見られる。
基本的に感覚型の人は具体的思考を重視し、また直観型の人は抽象的思考を得意とする。
今回は、それぞれの性格タイプにおける思考についてその傾向を簡単にまとめて見た。
なお、ESTJはISTJとの比較として、INTP、ENTP、ENTJについてはINTJとの比較としてそれぞれ記載している。

ISTP「巨匠」

傾向:

ISTPは、問題に対して大まかなパターンで考える傾向があり、その枠内で可能性のある解決法を逐次的に検討する。例えば、車のエンジンが故障した場合、ISTPはその症状から可能な原因をすぐに列挙し、一つずつ手をつけていく。

具体的な事例:

具体的には、プログラムのデバッグ作業を行う際、ISTPはエラーメッセージを参考にしつつ、その原因となり得るコードの部分や機能を直感的に特定する。そして、それぞれの部分に対して小さな修正やテストを行い、問題が解消するかを確認する。

心理機能による説明:

ISTPは主に内向的思考(Ti)と外向的感覚(Se)を活用する。内向的思考によって論理的な情報処理が行われ、外向的感覚によって瞬時の状況判断が可能である。この心理機能の組み合わせにより、ISTPは大まかなパターン認識と瞬時の問題解決スキルを発揮する。

このスタイルは、ISTPが「即座の問題解決能力」や「実用主義」であると評価される背景とも一致している。メカニック、エンジニア、緊急医療の現場など、即座の判断と手際の良さが求められる環境で彼らの能力は特に際立つ。

INTJ「建築家」

傾向:

INTJは、問題を高度に抽象化して構造化する傾向がある。それにより、問題の核心に迫り、その上で逆算的に解法へと繋げていく。例えば、ビジネス戦略を考える際、INTJはまず企業の長期ビジョンや目的を明確にした上で、そこに至るための戦略や計画を詳細に検討する。

具体的な事例:

具体的には、プロジェクト管理において、INTJは初めにプロジェクトの全体像と目的を明確にする。次に、それに達するための各フェーズや要素を洗い出し、それぞれに最適なリソースやタイムラインを割り当てる。

心理機能による説明:

INTJは主に内向的直観(Ni)と外向的思考(Te)を用いる。内向的直観によって抽象的な構造や未来のビジョンを形成し、外向的思考を使ってそれを具体的な計画や行動に変換する。この心理機能の組み合わせが、INTJが抽象的なアイデアやビジョンを具体的な解法に落とし込める理由である。

この特性は、INTJが「戦略的思考」や「システマティックなアプローチ」で高く評価される背景にもつながっている。研究開発、コンサルティング、経営戦略など、高度な分析と計画が求められる分野で、この性格タイプは特に威力を発揮する。

ISTJ「管理者」

傾向:

ISTJは、問題解決において事実や過去の経験に基づく方法を採用する傾向が強い。具体的な状況や問題に対して、既存のルールや手法を順次適用して解決を図る。このようなアプローチは、ISTJが詳細な計画性と精度を重視する性格からくるものである。

具体的な事例:

例えば、会計業務においては、ISTJは確立された規則やガイドラインに忠実に従い、その上で最も効率的な方法を選ぶ。一般的にルーチンワークや定型業務が多い場面で、その能力を最も発揮する。

心理機能による説明:

ISTJは主に内向的感覚(Si)と外向的思考(Te)を用いる。内向的感覚は過去の経験や詳細を重視し、それを外向的思考で論理的に組み立てる能力に繋がっている。この結果、ISTJは確立された方法や手法を頼りに、精密な計画と実行を行う。

この特性は、組織やコミュニティでの「管理者」としての役割に適している。規律や秩序を重視し、確実性や安全性を確保する作業が求められる状況で、ISTJはその真価を発揮する。

ESTP「起業家」

傾向:

ESTPは、即座に状況を読み取り、迅速な判断と行動を重視する性格タイプである。彼らは問題に対して、すぐに解決策を模索し、可能性の高いオプションを直ちに試す。このアプローチはESTPの柔軟性と行動主義的性質に起因する。

具体的な事例:

営業や交渉の場において、ESTPは相手の反応や状況を即座に読み取り、適切な言葉や行動を選ぶ。その場の状況に応じて、違う戦略や手法を素早く試す能力がある。

心理機能による説明:

ESTPは主要な心理機能として外向的感覚(Se)と内向的思考(Ti)を活用する。外向的感覚によって環境を即座に把握し、その情報を内向的思考で高速に処理する。この結果、多数の簡便な計算を素早く行い、状況に適応する解決策を見つける能力が高まる。
この特性は、緊急を要する状況や不確実性が高い場面での効果が特に顕著である。ESTPはその環境適応力と即座の判断力で、多くの場面で頼りにされる存在となる。

ESTJ「幹部」 (ISTJとの比較)

傾向:

両者ともに計画的で規則を重視するが、ESTJは外界に焦点を当て、コミュニケーションを通じて問題を解決する傾向がある。ISTJが過去の経験から最適な解決策を導くのに対して、ESTJは「こうすべきだ」という社会的なルールや期待に基づき、効率的な結果を出そうとする。

心理機能による説明:

ESTJは外向的思考で効率性やルールを追求し、内向的感覚を使って過去の経験やデータに基づく判断をする。ISTJとの違いは、ESTJが他人や環境とのインタラクションで最も効率的な結果を生む方法を模索する点である。

INTP「論理学者」 (INTJとの比較)

傾向:

INTPは理論や抽象的なアイデアに引かれ、問題を独自の観点から分析する。INTJが目標に対して効果的な戦略を構築するのに対し、INTPは一般的な原則に基づいて問題そのものを探求する。

心理機能による説明:

INTPは内向的思考で情報を詳細に解析し、外向的直観を使って様々な可能性を模索する。INTJとの違いは、INTPが一般原則や理論により焦点を当て、より柔軟に問題を解析する点である。

ENTP「討論者」 (INTJとの比較)

傾向:

ENTPは新しい可能性を探るのが得意で、複数の選択肢を同時に考慮する。これに対して、INTJは目標に対して一貫した計画を持つ傾向がある。ENTPは創造性が高く、ルールを柔軟に扱い、INTJよりも即興的な対応が得意である。

心理機能による説明:

ENTPは外向的直観で周囲の情報から新しい可能性を生成し、内向的思考でそれを詳細に分析する。INTJとの主な違いは、ENTPが問題解決の過程でより創造的で多角的なアプローチを取る点である。

ENTJ「指揮官」 (INTJとの比較)

傾向:

ENTJとINTJの主な違いは、アプローチの規模と焦点にある。ENTJは多くの場合、チームや組織全体に影響を与える大規模な計画を立てる。INTJはより内省的で、個々のプロジェクトやタスクに集中する傾向がある。ただし、両者ともに問題解決においては非常に戦略的である。

心理機能による説明:

ENTJは外向的思考で効率と結果を重視し、内向的直観で長期的なビジョンを持つ。INTJとの違いは、ENTJがより大規模な戦略を形成し、その実行に向けて積極的に人々を動かす傾向がある点である。

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