MBTIから見る、人の欲求と価値観
人の幸福は価値によって形作られる。
価値は金銭的価値に限らず、精神的なものも含み、それらへの欲求が満たされるかどうかが幸福感の鍵となる。
今回はMBTIの側面から、青年期以降の人間の抱える欲求と価値観についてまとめてみる。
まずは、各心理機能と欲求について触れていく。
心理機能の説明に興味がなければ、本題へ飛ばされたし。
以下、あくまで私の独断と偏見から確認された傾向である。
第一機能(優勢機能)
第一機能は人間にとって最も得意な機能であり、自然とこれを満たそうとする欲求が湧く。
第一機能が満たされないことは、その人の人生、仕事、生活において最大の問題となり得る。
だが、得意な機能であることもあって、多くの人はこの機能について不満を抱えることは少なく、今回は割愛する。
第二機能(補助機能)
第二機能は多くの場合、第一機能の補助に使われる。
第一機能に次いで満たそうとする欲求に駆られるが、頻繁に使用される機能であるため成長しやすく、本人は満足していることが多いため、今回は割愛する。
第三機能(代替機能)
今回の主題。第三機能は苦手な機能でありながら、使用することに憧れを抱きがちな機能である。
この機能の欲求を満たすことは、その人の人生において主題となり得る。
第四機能(劣勢機能)
苦手な機能であり、無意識で憧れていて、これを満たそうとする欲求が働く。
しかし、その影響が意識されることも少ないので、今回は割愛する。
第二機能の対、証明機能(価値観機能)
第二機能の内向、外向を反転させた機能。
この機能は無意識下で強力に働き、その人の世界観と価値観を決定づける。
具体例を挙げれば、ENFP(運動家)であればFiの反対のFe、INFP(仲介者)であればNeの反対のNiが、INFJ(提唱者)であればFeの反対のFiが、それに該当する。
結果、ENFPは周囲の調和を特に気にするようになる。
また、INFPは先行きの見通しを特に気にする。
そして、INFJであれば、物事の意味や価値を気にするということになる。
本題
人の抱える欲求として大きく残りやすいのが第三機能に関わる機能の発揮の欲求である。
加えて、第二機能の対となる機能は無意識下で極めて強力に働き、その人の世界観と価値観を支配する。
青年期以降、特に中年期において、この二つの機能の関わりによって人の価値観と幸福の形成は大きな影響を受ける。
たとえば、ENFP(運動家)であればTe(外向的思考)とFe(外向的感情)がそれを担当する。
具体的には、目的としてはFe的な世界観における価値を満たすために、Teの使用という手段が用いられる。
これが達成された時に、ENFPは意識される欲求が満たされ、大きな幸福を感じることができる。
さらに詳細を述べれば、外界(世界)の調和を、思考によって紡がれた一般言語によって過不足なく説明できた時にENFPは至福を感じるということである。
ここからは推測になるが、INFP(仲介者)であれば、Si(内向的感覚)によってNi(内向的直観)を満足させることが鍵になる。
具体的には、経験と記憶の蓄積により、先行きの見通しが立てられるようになると、将来への不安感は減少し安心感に繋がると考えられる。
また、過去のトラウマの解消がINFPの持つ苦しみを大きく軽減し、過去の記憶に意味付けがされることで人生について前向きになることも考えられる。
そして、INFJ(提唱者)の場合であれば、Ti(内向的思考)によってFi(内向的感情)を説明することが満足に繋がると考えられる。
それは、物事の意味や価値を論理的に定めることであり、それを明確に言語化するというプロセスを指す。
また、自らの感情を論理立てて理解するということも含まれる。
各性格タイプの欲求と価値
以下に、各性格タイプの満たされにくい欲求と価値を2行にまとめていくと、このようになる。
ESTJ(幹部)・ESFJ(領事)
NeによってSeを満たす。
創意工夫によって五感を満足させる。洞察の成果を体感する。
ESTP(起業家)・ENTP(討論者)
FeによってTeを満たす。
愛情によって秩序を保つ。平和によって秩序をもたらす。
ESFP(エンターテイナー)・ENFP(運動家)
TeによってFeを満たす。
言葉によって愛情を満たす。言葉によって調和をもたらす。
ENTJ(指揮官)・ENFJ(主人公)
SeによってNeを満たす。
行動によって洞察を得る。行動を楽しむ。
ISTJ(管理者)・INTJ(建築家)
FiによってTiを満たす。
感情の中に理屈を見出す。意味と価値を体系化して内的世界の整合性を取る。
ISTP(巨匠)・ISFP(冒険家)
NiによってSiを満たす。
信頼によって安心する。先を読むことによって安定させる。
ISFJ(擁護者)・INFJ(提唱者)
TiによってFiを満たす。
理屈によって感情を説明する。価値を論理立てて証明する。
INTP(論理学者)・INFP(仲介者)
SiによってNiを満たす。
継続と蓄積によって信頼する、先を読む。記憶、トラウマに整理をつける、解消する。
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