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今年導入したソフトウェア、魅力的だったソフトウェア(2023)

11月のブラックフライデー/サイバーマンデーセールもあり、今年もMac appを中心にいろいろなソフトウェアを導入してみました。中にはきっと使わなくなってしまうものもありそうですが、これは使う使わないだけでなく、実装されているUIの研究をする目的だったり、あるいは単にクリエイターへの「応援」としてでもあったりします。いくつかピックアップしてみます。


Procreate Dreams (iPad)

Procreate DreamsはiPadOS向けの2Dアニメーション制作ソフトウェアです。iPadで一番有名なお絵かきソフトウェアの一つ、Procreateを作っている会社が新たにリリースしたアプリケーションです。

私はアニメーション制作をやるようなクリエイターではないのですが、Procreate DreamsはとにかくUIがよくできていて、まずワクワクしてしまったというのもあるのですが、やっぱり良いUIには積極的に触れていかねばの精神で職業柄購入せざるを得ませんでした。

組み込みデモの一つを操作している様子

タブレットデバイスの使われ方や、マルチタッチでのノンリニア編集環境をどう整合性を保って適切なUIにまとめるのかというところは、なかなか大変なデザインだったんじゃないかなあと思います。深く考えなければ、iPadの画面サイズだけ気にして、基本的にはPCでよくあるUIをそのまま移植してくれば実現できるものなのですが、Procreate Dreamsはおそらくそういうことはしないで、1からiPad向けのデザインというものを真剣に考えているように思います。

FlipbookはとてもiPadらしいインターフェイス

手元のiPadPro 2018ではさすがに動作が重たくスペック不足を実感しましたが、それでもこれだけなめらかに動くUIに仕立て上げられているのは率直にすごいなと感動しました。


Sleeve 2

Sleeveは必要な時にMacのデスクトップに常駐させておけるミニプレイヤーです。Apple Music / Spotify / Dopplerに対応しており、連携設定したいずれかのアプリケーションを操作、簡易的な情報表示を行うことができます。外観はカスタマイズできるので、デスクトップに合った好みの見た目にすることもできます。

ミュージック再生時にだけ表示したり、Dockを自動的に避けてくれる仕組みも備わっているので、普段邪魔にならないのが魅力的です。


DopplerはかつてのiTunesのようにローカルミュージックライブラリを構築できるジュークボックス型ミュージックプレイヤーです。Apple Musicがサブスクリプション型配信サービスに移行してローカル機能がおざなりになってしまっているので、その代替ソフトウェアとして有力です。

macOS版とiOS版とがあり、同期には専用のユーティリティで手動操作することになります。iTunesよりは少々手間ですが、DRMフリーの音楽ファイルをアルバム管理する用途では一番使い勝手が良いと思います。

iTunes Storeから購入したDRM付きのトラックは扱えないので注意。

Unclutter

UnclutterはMacのデスクトップに隠しておけるシェルフを実現します。ここには、クリップボード履歴、適当なファイル置き場、簡易ノートを置くことができます。必要な時にメニューバー上でスクロール操作することによって画面の上方から引き出せます。

似たようなことを実現する類似ソフトウェアは他にもいくつかありますが、Unclutterはシンプルに3つの用途を実現できるので、一旦しばらく使ってみたいと思いました。

ちなみに「ファイル置き場」としてはUnclutterよりも前からDropoverというドロップレットを愛用しています。こちらも便利です。

Dropover

Dropoverは、ドラッグ最中のオブジェクト(ファイル、データ、その他諸々)を一時的にデスクトップ上に置いておけるドロップレットです。マウスをシェイクしたりするとその場に浮遊するドロップレットが出現し、一旦そこにドロップしておいて後からドラッグ&ドロップ操作を再開することができます。邪魔になったらドロップレット丸ごと消すこともできるので、アプリケーション間でデータのやり取りをするような場面で重宝します。

「macOSらしさ」を突き詰めていくと、きっとこのようなドラッグ&ドロップで直感的にオブジェクトを扱うことができる体験が要になるものだと考えていて、Dropoverはまさに往年のmacOSらしい設計思想が根付いているように感じられました。おすすめできます。

TextSniper

TextSniperは目立ったUIを持たず、スクリーンショットの拡張機能のように振る舞います。Shift–Command–2でスクリーンショットを撮ると、瞬時にテキストを抽出することができます(すぐにクリップボードにコピーされた状態になります)。おそらくAI技術を使っていて、macOSに備わっているVisionフレームワークによるテキスト認識技術が活用されているのだと思います。OSが対応していれば日本語でも問題なくテキスト化してくれます。macOS Sonoma以降では縦組みの認識もできます。

上のイメージはapple.comのトップページの表示からテキストを抽出した様子です。

透過的に振る舞ってくれるのでインタラクションコストが低く、常駐させておいてもほとんど邪魔にならないため、これは使い続けても良さそうに思います。

ちなみに上のイメージに映っているCotEditorにも、iPhoneのカメラ映像からテキストをスキャンできる機能「カメラ連携」がベータ実装(v4.7.0予定)されたので、紙の資料の部分的な電子化(個人利用用途、研究用途)で重宝しそうです。


Workspaces 2

Workspaces 2は、Macデスクトップ環境でよく使うファイルやリソースをひとまとめにしてワークグループを管理できる仕組みを提供してくれます。プロジェクトによって使うツールやリソース、参照するWebページなどさまざまにあると思いますが、それらを仮想のグループでまとめられるので、仮にプロジェクトファイルを閉じてしまっても、すぐに復元することができるようになります。

ワークグループを登録した後は、操作は基本的にコマンドバーによって行えるため、管理用ダッシュボード的な大きなウインドウを開かずに済むので邪魔になりません。


Bike Outliner

Bike Outlinerはアウトライン構造でテキストを記述できるエディタです。箇条書きやネスト構造を記述する用途に使えます。各行は折り畳めたり、ドラッグして並び替えたりすることが容易なため、普通のテキストエディタよりもテキスト構造を操作する手間が省けて便利です。機能もシンプルにまとまっていて使い勝手が良いと思います。

私の場合は業務等で情報をまとめるような場面で使ってみたり、あとはプライベートで本の執筆をしているのですが、その構成案を練る際にBike Outlinerが重宝しています。

構文はMarkdownに若干似ていますが厳密にはMarkdownではなく、独自の記法を使います。構文情報はドキュメントにまとまっています。

ファイル保存形式は独自のBikeフォーマットの他、一般的なOPMLフォーマットを選ぶことができます。

好みかもしれませんが、一つ欠点を挙げるとすると、アイコンがだいぶクセがあってどうにも馴染めない、Dockにあまり置いておきたくない、という心情が働きやすいことがあります。


Scapple

Scappleはノードベースのグラフを記述できるキャンバスです。ちょっとした概念的なアイディアをグラフに表したいような用途で使えそうだと思い、購入してみました。

まあまあ良さそうだと感じたのですが、操作に一癖あるため慣れが必要だと思いました。ちょっとまだ見極められていないのが正直なところです。もし使いこなすことができれば、私のような情報を整理する仕事をする立場では重宝しそうな気がしています。情報設計業務はこういうツールで完結できると理想なのですが。


Name Mangler

Name Manglerは賢くファイル名を変更をしてくれるソフトウェアです。Finderにも類似機能は備わっていますし、3rdパーティの類似ソフトウェアもいくつか知っていますが、大量のファイルを細かいルールで処理する用途では、今のところこれが一番使い勝手が良さそうな気配があります。

https://manytricks.com/namemangler/

Lasso

Lassoはウインドウの配置やリサイズを決められたプリセット等で素早く実行できるようにする常駐型アプリケーションです。決まったホットキーを入力すると操作ウインドウが現れ、最前面のウインドウをどの範囲に配置し直すかを瞬時に行うことができて便利です。

プリセットを使えば一発でウインドウの再配置も可能です。


Hand Mirror

Hand Mirrorはメニューバーに常駐し、クリックするとフロントカメラを使って自分の顔や背景の様子を瞬時に確認することができるアプリケーションです。リモート会議の前とかにさっと手鏡のように出して、身だしなみや後ろの写り込みなどを気にかけることができるので便利です。余計なUIがなくシンプルに振る舞うので重宝しています。


Dark Noise

Dark Noiseは環境音を流して作業に集中したい用途で使える音楽プレイヤーです。iPhone版もありますが私はMac版を導入し、macOS Sonomaから使えるようになったデスクトップウィジェットを置いて、雨音や焚き火の音をいつでも流せるようにしています。普段はプレイヤーウインドウは隠したままでウィジェットのみで操作できるので、邪魔になりません。

課金するとより多くの環境音が開放されるので、気に入る音源を探してみても良いのかもしれません。


DaisyDisk

DaisyDiskはストレージ内のファイルを一覧して、容量の大きなもの、不要なものを判別しやすくしてくれるソフトウェアです。macOSにも標準で似たような機能は備わっていますが、DaisyDiskの方がより視覚的にファイルが占める割合だとかを判別しやすいように思います。容量不足を気にするようなら定期的に使ってみると便利かもしれません。


特にオチはないですが、ざっとこんな具合です。今後も良いUIには積極的に触れていきたいと思います。

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