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心とき放つ刻

かつて、「時は金なり」という言葉が、人々の生活を支配していた時代がありました。
この時代には、資本の力が絶対であり、人々に与えられた時間は完全に支配されていました。

都市の中心では、巨大な時計塔がそびえ立ち、その針の動きが人々の運命を決めていました。
来る日も来る日も、人々は自分の時間をお金に換え、そのお金で自分の時間を買い戻すような生活を繰り返していました。
人々は、このシステムの歯車に組み込まれた生活をしながら、物は無駄に扱いながらも時間は一瞬たりとも無駄にすることが許されませんでした。

このような世界に、トキという名の女性がいました。
彼女は、このシステムに疑問を持ちつつも、生きるためにはそれに従わざるを得ない現実に苦しんでいました。トキは、時間をお金に変えることで生計を立てていましたが、心のどこかで常に不安を感じていました。

ある日、トキは偶然、時計塔の影の向く方に誘われ、隠れた小さな村を見つけました。
そこには、資本の力は存在せず、時間はただ流れているに過ぎません。
庭では、時間を忘れて遊ぶ子供たちや、花々を愛でる老人の姿がありました。

トキは、この村で過ごす時間が、自分にとってどれほど貴重なものかを理解し始めました。彼女は、資本の力に縛られずに生きることの意味を見出し、心の平穏を取り戻していきました。

やがて、トキは村で出会った人々と共に、新たなコミュニティを築き始めました。
彼らとのつながりには、収入や資産などの価値は、全く関係がありません。

彼女はここで、村人たちそれぞれの時間を大切にしあえる生活を送ることにしました。

資本が時間さえも支配する時代。
人々の縁もお金により、繋がり・切れる時代。
このような時代だからこそ、私たちが日々の忙しさの中で忘れがちな、人生の本質的な部分に光が当たるのかもしれません。

心の健康には「何にも縛られない自由な時間」が必要だと

心を育む刻

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