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東京の隠れ家的美術館ーArtとTalk㊻ー



皆さんこんにちは、宇佐江です。
先週の群馬に続いて、今週は東京の美術館れぽをお送りします。
(先週の記事はこちら↓)

東京の美術館というと、駅から近くて、大きくて、混んでて…というイメージがありますが、今回ご紹介するのは駅から少し離れた場所にあったり、自分だけの静かな時間を過ごせるような隠れ家的施設(あくまで宇佐江目線で)。

あれっ、こんなところにも美術館ってあったんだ?と興味を持っていただけたら嬉しいです。
それでは参りましょう~!

(書かれた情報は公式のものとは一切関係なく、宇佐江みつこ個人の体験による感想です。本文はエッセイ形式でお送りします。)


①松岡美術館

ゴージャスだけれどなぜか落ち着く


白金台駅から徒歩7分、もしくは目黒駅から徒歩15分。

広大な東京都庭園美術館の敷地の裏手に、ひっそりと佇む松岡美術館。中にはいると大きな彫刻と、窓の向こうのきれいなお庭に迎えられた。ロビーのあちこちに椅子があり、吸い寄せられるようにたびたび座ってはどこからも庭が眺められる。

この場所は、創立者・松岡清次郎氏の自宅跡地で、自身も庭の眺めをとても愛していたのだそう。その愛着がまだ館内に空気として残り、美術館全体をやさしく包んでいるように感じた。こんなお金持ちのおじいちゃんではなかったが、なんだか自分の祖父母の家に遊びに来たときのような少しの非日常と、安心感が同時に味わえるような、そんな感じ。

コレクションは古代オリエント美術や、古代東洋や現代の彫刻中心。そのラインナップが雰囲気にとても合っている。
ひとりになりたい気分の時、ぴったりの場所だった。


②渋谷区立松濤美術館

中に入るとうっとり空間。


目黒駅から山手線で渋谷へ。
年々混雑度合いがレベルアップし、個人的苦手度最上位の街・渋谷を通り抜け、地方在住者でも知っている超高級住宅地・松濤エリアに足を踏み入れる。
けれど、先程までの喧騒に比べたらなんと落ち着くことか。
建物の感じも控えめなのにお洒落だし、渋谷では絶対食べたくなくて後回しにしていたランチを恐れ多くも松濤で食べたのだが、びっくりするほどリーズナブルで、美味しかった。
都会の飲食店の店員さんて、忙しいからか時々せっかちな対応で怖いのだけれど、ここの店員さんはすごく優しかった。

さすが余裕のあるおとなの街。

ランチしたお店

さて、いざ美術館(渋谷駅からまっすぐ来れば徒歩約15分)。

外観はごつごつとした石造りの松濤美術館。しかし中に入ると、もう、おもわず溜息をこぼしてしまうような美しい空間。建物の中央が吹き抜けになっていて、噴水がある。階段をあがったところや、エレベーターの前などに所々なぜか鏡があり、これがまた、ハートを撃ち抜かれるほど可愛い。
しかも今回ここで観た企画展が『111年目の中原淳一』展。

これがものすっっっごく良かった…!!!

観る前から、チラシを目にした段階ですでに心奪われていたが、中原淳一を松濤美術館で観られるなんて、最高の極み!ぜひ行かねば!!と、実はこれ目当てで今回東京に来たくらい。

絵(手首の表情がたまらない~!)はもちろん、雑誌編集にも携わっていた中原淳一の時代を生き抜く「言葉」がすばらしくって、もう、はあ~とまさに、少女のように胸がときめく。

ちなみに、私の筆名である「みつこ」の名を貰った祖母の満子ばあちゃん。絶対に中原淳一のファンだった。
そんな会話をしたことはないけれど、ばあちゃんの死後に見つけた、娘時代に描いたのであろう黄ばんだ紙に描かれたまつげバサバサ少女のイラストは、まぎれもなく中原淳一リスペクトに溢れていた。今回は、そんなばあちゃんと一緒に観に来たつもりで楽しんだ。
3代先まで夢中にさせてくれる中原淳一の魅力よ!

グッズもめちゃくちゃ買ってしまい、部屋じゅうが中原淳一だらけになりそうな予感がする…。


③インターメディアテク

こんなところに博物館!

最後は渋谷から東京駅に戻り、以前同僚に教えてもらった場所に初めて行ってみた。

東京駅の目の前、KITTEの2階と3階にあるインターメディアテク。日本郵便株式会社と東京大学総合研究博物館の協働による、なんと入館無料のミュージアム。しかし、無料とは思えないほど展示は充実している。
キリンやクジラなどの大きな骨の標本とか、反対にすごく小さな虫などの標本も(展示内容は都度変わるのかもしれません)。いきもの以外にも、美しい骨董品やさまざまな文化財資料が楽しめて、まるで映画のセットの中にいるよう。
窓からは東京駅が一望できた。

東京観光で、帰りの電車まで余裕のあるときなどにぜひおすすめ。2階入り口付近にロッカーもあったので、大きな荷物を持って訪れても安心です。



中原淳一表紙原画(『月刊それいゆ 臨時増刊 ワンピース』)1954年
を参考にして描きました。©宇佐江みつこ




今週もお読みいただきありがとうございました。どの美術・博物館もほんとにおすすめですが、中でも中原淳一展!全国巡回のラストがこの松濤美術館のようなので、気になる方は下記ホームページをご覧くださいませ。

◆次回予告◆
夏休みの特別連載企画。


それではまた、次の月曜に。


*中原淳一展は9月1日まで。
宇佐江同様に渋谷駅が苦手な方は、「神泉駅」からも行けます↓


*その他、東京の美術館巡り記事はこちら↓


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