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学生時代、先生は好きでしたか?

こんちには。宇佐江です。

先日会った友人との会話で、何かの拍子に「先生についてどう思ってたか」というやりとりをしました。彼女とは小学校から高校まで同じ学校だったので、当然同じような顔ぶれの先生に教えてもらっていたはずが、抱いていた感情は全く違うものだということを初めて知って、ちょっと驚きました。

私自身は学生時代、決して「先生と親しくなれるタイプ」の生徒ではありませんでした。ですがその分、数少ない思い出として残っている先生との何気ないやりとりを、結構覚えているものだなと思うし、過去担任だった先生の名前は苗字だけなら小~高まですべて言えます。特に絵を学び始めてから出会った「美術の先生」たちは個性豊かな方々で、おもしろい人たちばかりでした。当時先生たちからかけてもらった言葉の数々は、道端の小石のように私の心に存在し、生きていく日々のなかでふいに私のつま先に当たってコロンとしては、「ああ、そういえばあの時あの先生にこう言われたな」とか蘇ります。

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11月3日から岐阜市の「ギャラリーカフェ水の音」さんで『放課後の美術室』が始まりました。(12月1日まで) 私もグループ展の参加者の一人としてスペースをいただき、作品を展示しております。

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展示構成は主にふたつのパートに分けており、ひとつは私が学生だったころの先生との思い出を記録した言葉と作品。もうひとつは『ミュージアムの女』を描き始めたきっかけに深く関わってくださったある「先生」との思い出を描き下ろした漫画と最近の着彩画などです。

今回特に気合が入ったのは学生時代のパートの方で、私がまだ「宇佐江みつこ」になる前の、自称・尖ったナイフだったころの学生時代を赤裸々に表現した仕上がりとなり、高校・大学時代に描いた油彩や、古いクロッキー帳や日記を漁って拾った先生との言葉のやりとりが生々しく展開しています。おそらく一般の人が言うところの「黒歴史」的なものも含んでおりますが、会場となる水の音さんの、なんとも言えない不思議な時の流れを感じるお部屋のおかげで、すごくいい空間が作れたと自分でも気に入っています。他の出品者の方に比べ圧倒的に文字量が多いので、皆様それぞれのコンディションに合わせて、一部分だけでも楽しんでいただけたら嬉しいです。

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それにしても、今回搬入して驚いたのは学生時代に描いた油絵の状態の良さです。高校2年の時に描いた油彩なんか今から17年も前のもので、実家の納戸にしまいっぱなしにしていたものを恐る恐る出してみると、全然ひび割れもせず、色も鮮やかなままです。美大の絵画組成の教授が「堅牢」という言葉が大好きで、よく使っていらっしゃいましたが、今回久しぶりに再会した絵を見て思わず私も「堅牢~。油絵ってほんと、堅牢~!」としみじみ繰り返してしまいました。

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今回のグループ展『放課後の美術室』では、出品者の全員が「過去、先生と生徒だった」組み合わせで展開しています。小学校の頃の美術の先生とかつては生徒で今は作家として活躍されている方とか、美術の先生に憧れて現在はご自身も先生として働いていらっしゃる方とか。相手の先生や生徒さんに向けて「お手紙」を綴られている方もいらして、それがまたじんわりと、いい感じです。

↓ 過去にあげた予告記事はこちら

『放課後の美術室』11月3日~12月1日(休み…第1水曜、毎週木曜)

11時30分~18時

会場/ギャラリーカフェ水の音…岐阜市新桜町12

https://www.mizunooto-gifu.com/access/ (水の音さんホームページより)

伊奈波神社へ続く参道を歩いて、自販機と「水の音」の小さな看板を目印に左の道に入ります。会場は古民家をつかったギャラリーで、左側の母屋にカフェスペースがあるのでまずはそちらをお訪ねください。ここにも作品の展示がありますが、宇佐江の作品は一度この母屋を出ていただいて右にあるもう一つのお家の一階にありますので、お忘れなくお立ちよりください。オーナーご夫妻もやさしい方たちですので、なにかあればお答えいただけると思います。ご観覧の際は、ワンドリンクのご注文をよろしくお願いいたします。

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ふつうのギャラリーではなかなかやりにくい展示のテーマで、今回限りの特別な展覧会になっています。古民家の窓から差しこむ午後のやわらかな光のなかで、あなたも学校の放課後を思い出してみませんか。


宇佐江みつこ

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