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鳥羽水族館ズ・ハイーおでかけがしたい。⑮ー


旅や散歩にまつわるエッセイ+写真のシリーズ『おでかけがしたい。』第15回。先週に続いて三重旅行編!後半は、鳥羽水族館のお話。

水族館大好き女・宇佐江の目線で「かわいい」と思った生きものたちの画像付きのため、苦手な方は画像を薄目でかわしてお楽しみください。
前編はこちら↓



カラフルな彼ら

伊勢神宮から乗ってきたバスを降り、ついにその前に立つ。

念願だった鳥羽水族館。
友人Rに記念撮影してもらう最中も、絶好調に口角が上がりまくっていると自分でよくわかった。

いざ、施設の中へ!!



「順路のない水族館」の文字がまず目に飛び込んだ。鳥羽水族館は建物中央に入り口があり、左右横並びで展示室があるつくりになっていて、好きなところから自由に行けるらしい。
どうしよう、早速おもしろい。

まず最初の部屋で出会ったのはコブシメという、かなり変わった見た目のイカ。というか案内を見るまでなんの生物かわからなかった。でもなんか、かっこいい。
沖縄では高級なイカとして扱われるそうだ。

そしてなんと、次でいきなり私の大好きなコンゴウフグがいて大興奮。
しかも色んなカラーで!!!

※角みたいな棘がある方がコンゴウフグ↑

この、脚(みたいなモノ)~~~!!

入り口から数メートルで早、水槽前を離れられない女。

ようやく移動した先には、なんだか異様な力の入りようで展開されているザリガニのコーナー。見たことのない、白やオレンジなどのザリガニがいる中で圧倒的1位のインパクトは青ザリガニ。ベタな表現だが、ほんとにペンキを塗ったような鮮やかさである。
しかもこの子、「茹でたら赤くなるでごザリます」と書いてあった。
「茹でたら」って…。
やばい。ここの学芸員(もしくは飼育員)さん、面白い。

つづいての水槽は、コワモテなベステル。オオチョウザメとコチョウザメを掛け合わせた人工的な品種という。チョウザメの仲間はキャビアを効率よく得るために、色んな交配が行われているのだそう。そんな人間の都合で誕生したせいか、妙に味のある表情で、実在する誰かにすごく似ていそうな顔だった。


スナドリネコの夫婦

3階にあがるとアシカやアザラシ、トドがいるゾーン。通路が巨大な透明チューブになっていて、自然に泳ぐアシカたちの水中にこちらがお邪魔しているような感覚。彼らがものすごく近く感じた。

そして屋上ストリートを移動し「奇跡の森」ゾーンへ。ここにいるのがスナドリネコである。

かわいい。そして猫とはいえやはり、デカイ。体格のいいウチの猫(トム)のいったい何倍なのだろう…。
プロフィールを読むと、昼間は梁の上で寝ていることが多いというメスの「パール」と、岩の上で寝ていることが多いオスの「サニー」。見ると、説明まんまの位置に2頭がいた。
それにしても「パール」という命名は鳥羽的にあまりにもピッタリで素敵すぎる。

たぶんパール↑
おそらくサニー↑

パールとサニーは夫婦で、先日赤ちゃんが生まれたそう。帰宅後に知った情報だったのでこの赤ちゃんスナドリネコを見損ねてしまった。公開はされていたのかな?残念だが、このふたりだけでも充分楽しめたから満足だ。

こちらは別の部屋にいたカピバラと、ショウジョウトキ。てっきりフラミンゴかと思ったらトキだった。それにしても、このツーショットがナチュラルに成立しているのが不思議。
カピバラさんはとてものんびり動いていた。

閉館時間が迫るなか、入り口の方まで戻ってくると何やら人だかりが。ラッコのごはんの時間らしい。平日の夕方なので館内はかなり空いていると思っていたが、ここだけすごい混みよう。これもあとで知ったことだが、ここのラッコたちはとても賢くて人気者らしい。
でも私は、他にどうしても見たい子がいたので、混んでいるラッコ前を早々に通り過ぎた。


まぼろしの存在感


ジュゴン。


人魚伝説のモデルともいわれる、日本の水族館では鳥羽水族館でしか見ることができないジュゴン。

その水槽前に辿り着くと、期待に反してなかは空っぽ。
と思いきや、パネルを見るとちゃんと「水槽の水が濁って姿が見えないことがあります。ガラスの前に行くまでしばらくお待ちください。」とある。

待つとも。もちろん待つとも。

すると、その文章を読み終えるのを待っていたかのように、水槽の奥からなにかが現れ、あっという間にガラスを隔てて私たちの目の前に、それは姿をあらわした。

ゆっくり、体を地面と水平にすると、ジュゴンは前脚でハイハイをするように、不思議な動きで近づいてきた。

イルカのような胴体だが、顔は何とも似ていない。
その姿は、今までみたどんな生きものとも違う、とても神秘的な感じがした。

幻。

そんな言葉が頭にうかぶ。

惚けたように見つめていると、ジュゴンは体をそのままズリズリと半回転させ、海藻のなかに頭をつっこみ、食べ始めた。
その姿もなんだかとっても不思議だった。口はその下にあるはずだが、膨らんだ鼻先から吸い込んでいるようにも見える。

こんな生きものが海にはいるんだ。


水槽の前にいる間じゅう、なんだか、とてもすごいものをみているという感動があった。なにも言えなくて、ただただずっとジュゴンを見つめた。



鳥羽水族館。

神秘的なジュゴンも忘れられないけれど、それ以上に、生きものたちをすごく“近く”感じられる展示の工夫がされていて、見慣れた生きものでも、ふだんより数倍わくわくしたのが本当にすごいと思った。
ぜんぶがぜんぶ、かわいい顔をした愛嬌のある子ばかりに見えてもう、どの水槽も離れがたい。

帰宅後も鳥羽水族館の動画を観て、ニヤニヤが止まらない私だった。




今週もお読みいただきありがとうございました。
2週に渡ってお送りしました三重旅行。お伊勢さんは何度か行ったことがありますが、アクアイグニスもすごく素敵な施設でした。
鳥羽水族館はまた是非行きたい!!!
皆さんは年末年始、どこかにご旅行されましたか?

◆次回予告◆
『接客業のまみこ』㉗㉘

それではまた、次の月曜に。



◆今回のさんぽ猫◆
鳥羽水族館のスナドリネコ、サニーの寝顔。



*宇佐江の水族館愛が爆発。名古屋港水族館のお話はこちら↓


*ふだんはふつうに旅とかしてます。その他のお話はこちら↓


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