米国研究留学~J VISA手続き~

米国で研究留学を行う医師のほとんどがJ Visa (交流訪問者ビザ)を取得して渡米することになると思います。研究者本人はJ1 Visa、扶養家族はJ2 Visaとなります。Visaの手続きは基本的に所属予定施設、次に米国大使館とのやりとりで行われます。重要な書類は以下にも記載しますが、所属予定施設からのOffer Letterとそれをもとに作成されるDS-2019です。Offer Letterがないと、Lab ManagerがDS-2019の手続きを開始できませんので、Offer Letterの取得がVisa申請の律速段階です。それらの手続きに要する期間は施設によると思いますが、私の場合はMentor及びLab BossとのInterviewで3か月後からの採用と決まってから、最終的にVisaを取得するまでに約9か月かかりました。

まず必要になる書類がOffer Letterです。Offer Letterは、私の場合所属大学病院のDepartmentから発行されました。研究期間(J Visaであれば1年間のみの記載)、簡単な研究内容、給料、MentorのSign等が記載されています。まずAdministrative OfficerにCurriculum vitae (CV) やPassport等の個人情報を送り、Lab Manager, Business Manager等で手続きが行われ、最終的にMentorがOffer LetterにsignをしてE-mailで送信されてきます。CVを送信した段階で、Administrative Officerより数日以内 (in the next couple of days)にOffer Letterを送信すると連絡がありましたが、待てど暮らせど連絡は来ませんでした。約2か月後にJobがOnlineでPostされたので応募するように連絡があり、その1か月後に一度Offer Letterを頂いたのですが、AssignされていたPosition (Research Assistant) がJ1 Visaの対象外とのことで、Job Titleの変更 (Postdoctoral Research Fellow) に基づく、手続きのやり直しと追加書類(Letter from the home institutionとReference Letter 3枚)の提出を求められました。私の場合、最終的に正式なOffer Letterを取得するまでに約7か月を要しました。

次に大学病院からのOffer Letterに基づいて、Lab Managerが所属大学にPostdoctoral Appointment Letterを申請します。この手続きは私のJob TitleがPostdoctoral Research Fellowであり、大学病院及び大学の傘下で働くという条件上、必要になったものと思われます。Office of Postdoctoral AffairsのAdministrative Officerが手続きを行い、DirectorがLetterにSignをして、E-mailで送信されてきます。手続きに要する期間は約2~3週間程度です。

最後に所属大学病院及び大学のAppointment Letterをもとに、大学病院のImmigration OfficeがStudent Exchange Visitor Information System (SEVIS)に情報を登録して、DS-2019(研究者本人及び家族分)が発行されます。この手続きは最短数日で完了されます。私の申請時はDS-2019は郵送のみで取得が可能でしたが、現在はE-mailでの送信が許可されています。入手したDS-2019にSignをします。

次にDS-160 (Online Nonimmigrant Visa Application) を申請します。申請時にApplication IDが作成されますが、IDはVisa更新時にも必要になるため、今後のために控えておくことをお勧めします。OnlineでVisa申請者(家族も含めて)の個人情報及び、DS-2019に記載されている所属Programの情報を記入していき、Photo (6か月以内に撮影したもの)をUploadします。最後にVisaの申請料金 ($185 x 人数分) を支払います。郵送申請を行う場合は郵送代金を支払います。また、J Visa申請に必要なSEVIS I-901 fee ($220)を支払います。

最後に米国大使館にVisaの申請を行います。現在は大使館での面接を経ずに、郵送によるJ Visaの申請が可能です。郵送申請に最低限必要な書類は、Passport (現在有効及び過去10年間に発行された)DS-2019DS-160 Confirmation PageSEVIS I-901 Fee Confirmation Page、Photo、郵送申請確認書です。また補足書類として、Offer Letter、CV、ドル表示の残高証明、英文での出身大学の卒業及び成績証明、戸籍標本及びその英訳(自身での翻訳で可)等を提出しても良いかもしれません。補足書類は何が必要なのかはっきりしませんが、私は念のため全て提出しました。Offer Letterに臨床行為を行わない旨を記載するよう要求されるケースもあるようですが、私の場合は特に記載がなくても問題ありませんでした。
上記書類を家族分も含めて、レターパックで指定した米国大使館に郵送します。Visa Status Checkで進捗状況を確認できます。書類に不備がなければ、Visaは1週間程度で発行されて、郵送されます。

以上、J Visa取得にあたっての手続きを記載しました。上述したように、私の場合はVisaの取得に約9か月を要しました。当初はInterviewから3か月後の始業を予定していたため、予定に間に合わないとしてMentorに連絡を取り始業開始を3か月延期しましたが、それでも手続きが間に合わず、結局さらに3か月延期しました。このようにアメリカでの事務手続きは、漏れなくトラブル及び遅滞が発生すると考えておいたほうが無難です。また、渡米に当たっての航空券の予約は少なくともDS-2019を入手してから行うことをお勧めします。


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