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銀行部門好調、金利収入が大きく増加し収益拡大を牽引。JPモルガン・チェース決算発表(2023年1~3月期)

3月のシリコンバレー銀行の破綻を機に金融システムへの不安が一気に高まりました。当局は例外的な預金保護を打ち出し、JPモルガン・チェース(JPM)を含む大手金融機関も、ファースト・リパブリック銀行への支援を行うなど、他行への拡大を防止しました。

JPMのジェイミー・ダイモン(Jamie Dimon)CEOは株主への書簡のなかで、シリコンバレー銀行の破綻は規制が要因だったと批判しています。

こうした金融の大混乱を受け、金融機関の経営や収益の状況に大きな変化はあったのか、気になるところです。

予想上回る強さに株価急伸

4月14日、大手金融機関の先陣を切って、JPMが2023年1~3月期の決算を発表しました。

取引開始前に発表された決算内容を受け、14日の株価は前日比で7.6%上昇と大きく値上がりしました。

決算概要

予想上回る営業収益、金利収入増が追い風

決算の概要は以下の通りです。

 (100万㌦)     営業収益   純利益  1株当たり利益
 2022年 1~ 3月期    30,717   11,526     2.63㌦
 2022年 4~ 6月期    30,715   11,966     2.76㌦
 
2022年 7~ 9月期    32,716   13,538     3.12㌦
2022年10~12月期   34,547   15,525     3.57㌦
2023年 1~ 3月期    38,349     18,242    4.10㌦

一般企業の売上高にあたる営業収益は383億4900万㌦で、前年の同じ時期と比べ24.9%増加しました。四半期ベースの営業収益としては過去最高です。
事前のアナリストの予測平均値(Yahoo Finance)が361億9000万㌦でしたので、予想を大きく上回ったことになります。

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