シティグループ決算発表(2023年10~12月期、2023年通期):四半期赤字計上、収益回復へ2万人追加人員削減
シティグループ(C)は、消費者金融、法人金融、投資銀行、証券仲介、貿易・証券サービス、ウェルス・マネジメントなど、幅広い金融商品・サービスを消費者、法人、政府、機関投資家に提供している世界的な金融サービス持株会社です。
1812年のシティバンク・オブ・ニューヨーク(City Bank of New York)設立を起源として、米国内で事業を拡大し、20世紀前半には中南米を皮切りに、欧州など海外へもネットワークを拡大しました。
1998年、傘下にソロモン・スミス・バーニーを持つ保険会社トラベラーズ・グループと合併し、銀行・証券・保険・消費者金融などを持つ金融コングロマリット「シティグループ」となりました。ただ、長続きはせず、損保部門トラベラーズを再分離、生保・年金部門もメットライフへ売却しました。
現在は、機関投資家向けの投資銀行業務や証券業務、個人向けの銀行業務やカード業務、資産管理業務、そしてアジアやメキシコでの銀行業務を提供しています。
四半期決算概要
シティグループは1月12日に、2023年10~12月期の四半期決算と、2023年通期決算を発表しました。
まずは、2023年10~12月期の四半期決算の概要です。
金利収入維持も、取引収益の減少が響く
一般事業会社の売上高に相当する営業収益は174億4000万㌦で、前年の同じ時期と比べ3.1%減少しました。ただ、事前のアナリストの予測平均値(Yahoo Finance)が170億8000万㌦でしたので、予想は上回ったことになります。
事業売却の影響やアルゼンチンの通貨ペソ切り下げの影響を除けば、2%増加とのことです。
シティグループでは、営業収益の大半を占めるのが純金利収入です。10~12月期の純金利収入は138億2400万㌦で、前年同期比4.2%増となっています。
2022年以降、FRBの利上げに伴い、純金利収入も増えてきました。利下げが停止した昨年半ば以降は増勢はみられませんが、高い水準を維持していることはわかります。
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