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【読書記録】ぬいぐるみとしゃべるひとは優しい

自分は被害者でもあり加害性を意識する七森や
血の繋がった家族であっても、他者を侵害しない他の登場人物であるから、感情の発見や納得したり共感したり、反省したりもして苦しくて好きな一冊になった。

自分が無意識に発している言葉で人を傷つけてるかもしれない。
女として体について指摘された一言に違和感という少しの嫌悪感。
女をモノとして扱う言動のわたしはどんな顔をしている。
親友と交わすLINEに自分の支配下におこうとしていないか、無意識の同化をしていた過去。
頭の中ぐるぐるぐるぐる。優しいってなんだろ。
ジェンダーで縛られる息苦しさは感じる、「現実はふつうにひどいことが起こる」折り合い。

無意識を意識して変えたい私

印象に残った文章

ぬいぐるみとしゃべるひとは優しい

恋愛って、みんながするものが当たり前なものらしい。自分ひとりだけが参加できないことに七森はもやもやしていた。 

昔のことを思い出すと、苦いもので胸がはじけそうになる。
怖かったから笑ってたのかなって、今は思う。学校の中にぎゅっと詰め込まれた社会みたいなものが。それに加担している自分のことが。

なんなんだ。みんな、出会いがあって、誰かと、恋愛するって形で繋がりまくってるんだ。

自分だけが繋がれない、疎外感みたいなもの、人と付き合うとか、付き合えないとか、僕のコンプレックかもしれない。いま、大学生の時に誰とも付き合わなかったら僕は卑屈になっていっちゃうのかも。

ひとのこと、「男」とか「女の子」じゃなくて、ただそのひととして見てほしい。僕は男だけど、女にモテるためにいきてるんじゃない。

「現実は普通にひどいことが起きるのが普通だよ」
ひどいことが自然法則みたいになってるのがつらい。

たのしたあことに水はきづく

あたらしく「家族」になったわたしはなにかを期待される

みんな人間で、なにをいうのが、なにを聞くのが失礼になるかも分からない。「恋愛」とか「男女」とか、主語が大きい話は、大きい分だけ、ひとを疎外したり、傷つけたりしかねなかった。



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