大事な情報はタイムリーに処理するとお金に換えられる話

前回の記事では、設備保全の現場ではどういう資料が大事かという話を、資料が持つ情報量の多さから説明しました。今日は、情報量の多い、大事な資料も”タイムリー”に見れるか次第で生み出せる価値がだいぶ違ってきますよというお話です。

タイムリーに情報を見ることができていないケースは、どんな時でしょうか?例えばこんな経験ありませんか?

Aさんの場合

ある工場に勤めているAさん(28歳)は、稼働してから40年経過した設備の保全担当をしています。Aさんは、この5月1日~7日の1週間の定期検査期間で予定していた検査を進めていきました。

すると5月4日のお昼に、予定していなかった部品の損傷を発見しました。「どうしようヤバイ、この部品のこと良く詳しくないんだよな、図面でこの部品の構造をチェックしなくちゃ!」といって書庫に急いで向かうわけです。「どれだっけ?どれだっけ、あったこれだ、たぶんの図面集の中にこの部品の構造があったはず、えーと、、、あれ?違うか、どこいったんだろう、、」ともたもたしていると、電話が鳴りました。先輩のBさんみたいです。「はいもしもし、え?安全管理教育ですか?わかりました。すぐに向かいます!」といって、結局図面が見つからずに、書庫を離れるのでした。

その後、定期検査の最終日は来てしまい、例の損傷した部品への対処はできずに、終わってしまうのでした。そして半年後、その部品の損傷が原因で、Aさんが担当している設備は大きな事故が発生するのでした。

残念な結果ですよね。もし5月4日のお昼に、損傷を発見してから1分で図面を探し出し、次の1分で手配するべき部品番号をチェックし、次の1分でそのメーカーに手配をしていたらどうだったでしょうか?きっと大急ぎで郵送された部品は定期検査最終日までに直して元通りにできていたかもしれません。そうすれば、大きな事故は防げたわけです。

いまの例にかかわらず、どれだけ良質な情報であってもタイムリーでなければ価値は生み出せないんです。

Cさんの場合
たとえば、Cさんが設備の運転データを監視しているときも同じです。「あれ?なんかちょっとこの温度センサーが急に低下しているぞ、、なんかまずそう」「そうだ、こういう時はベテランさんに聞いて、、あ、今日休みだった。どうしようそうだ、過去のトラブル集にこんなケースなかったかな?キングファイルどれだっけな、、、」ともたもたしているうちに、温度センサーの値はどんどん低くなっていきます。異常を知らせるアラームが鳴り響きました。「やっぱ異常なんだ、対応どうしよう、そうだ取り扱い説明書あったよな?どこだっけ、、、」と言っているうちに設備は急に停止してしまったのでした。それから、再立ち上げにはさらに1週間必要になったとさ。

このケースでも、異変に気づいてからすぐに過去のトラブル集から温度センサーが低下しているケースを探してきたり、取り扱い説明書の該当箇所をサッと見つけることができればひょっとしたら異常による急停止を防いで、安全に対応ができていたかもしれません。

情報がタイムリーじゃないことで問題を解決できなかったり、あるいは収入が得られなかったりといったことは何も設備保全の現場の話に限ったものではありません。

読者の方が、株のトレーダーで中国の経済情勢を注目していたり、日銀の総裁のコメントを見守っているときも、その情報を1週間後に見ても遅いわけです。

売り込みしたい製品があって、なんとか今年度であと2つ受注したいと思っているときに、「実は年度末予算余ってたのに」という情報を次の年度になってから聞いても遅いわけです。

ついでに言えば、高校時代大好きだったあの子が、自分に惚れていたなんて情報も20年後の同窓会で言われてもどうしようもないわけです。


いかがでしたか?必要な情報にはやくアクセスする方法に興味を持っていただいた方、ぜひこちらの記事もご覧ください!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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