見出し画像

設備保全スキルは過去の資料の活用で強化されます!

以前の記事で、「過去資料はノウハウ」と書いたことがあります。そう言われてもよくわかりませんよね?今回は、それって具体的にどういうことなのかをご説明します。

まずノウハウという言葉を私なりに整理しますと、”その業界で業務を成功させるために必要となるモノ”です。

たとえば設備保全の現場では、不意にある設備からいつもと違う音が聞こえてきて、そうなっている原因を考えながらタイムリーに意味のある対策を打つということが求められますね。

これを実行することができる人を「ノウハウを持っている人」と名付けましょう。この人がやっている先ほどの仕事を分解してみると、

①いつもと違う状況をキャッチする
②問題となっている原因を検討する
③解決する対策を実行する

さらにそれぞれをもう少し詳しく書くなら大まかにこんな感じだと思います。

①については、ニオイや音、データなどを通じてキャッチする行為で比較的シンプルです。「いつもより焦げ臭い」「いつもより音がうるさい」「いつもより温度が高い」「いつもより量が少ない」などといったものです。最近の技術ではこれをAIを用いて検出しようという取り組みが盛り上がっていたりしますが、やっていることは同じです。いつもと違う状態を検出するだけです。いつもの状態を知っていればそれとの違いには気づくことができるわけですね。

②次にやるべきことは、ではなぜいつもと違う状態になっているかを検討することです。ここできちんと原因検討できるかどうかはどれだけ引き出しを持っているかにかかっています。その問題に関係する設備の構造を知っている、設備の役割をしっている、消耗品を知っている、代表的なトラブル事例を知っている、過去の補修履歴を知っているといったこところですね。保全する設備について、知っていることの引き出しの多さが勝負です。

③最後に特定した原因に対して解決する対策を実行するわけですが、これも実は、その問題に必要な対策をどれだけたくさん知っているかが勝負です。
損傷した部品の補修方法の選択肢を知っている、過去に実施してうまくいった手法を知っている、その材料の特性を知っている、その設備のメーカーの担当者を知っているといったところですね。その中で、予算や期間に応じて判断をして、適切な対策を選び実行するわけです。

何か気づきませんか?

結局ノウハウとはつまり、”知っていること”

かなりの部分が知っていることで何とかできるものです。長い間ずっとその設備を見てきたベテランさんは、まさに①②③が無意識に頭の中にすりこまれているわけですね。

でも実は、ベテランさんの頭の中にしかないかというと必ずしもそうじゃないです。設備の構造や部品の名前は図面を開けば出てくるし、過去のトラブルや補修履歴は多くの現場で少なくともキングファイルに保管されているわけです。そう考えると、過去の担当者さんが蓄積してきたノウハウは、部分的に過去の資料に写しこまれているわけです。特別に誰かが頑張ってつくる教科書的な”保全ノウハウ集”みたいな資料でなくとも、過去の点検報告補修記録、トラブル履歴などこれらみんなノウハウなんです。

にもかかわらず、実際保全の現場で起こったトラブルを、若手の方が一生懸命原因を考えた後、過去全く同じ内容をもっと詳細に検討をした事例の存在を知るというケースもあるようです。過去の資料は使わないと損ですね。

以上が私がなぜ「過去の資料はノウハウ」と言っているかという説明でした。過去の資料を探して見つけられるということは、まさに自分のノウハウを増やしていることにほかなりません。脳みそに詰め込めることは限界があります、過去の資料をスムーズに検索したくなってきませんか?そんな方はぜひこちらの記事をご覧ください!

以上です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?