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若手社員・新入社員が財務諸表を読めると何がいいの?

僕は法人営業の出身なので、新卒入社時は財務諸表が必須の学習項目でした。
(私自身、日商簿記2級を取得しています。)

突然ですが皆さん、
・売上
・売上原価
・売上総利益(粗利)
これら3つを計算式で表すことはできますか?

正解は
売上 − 売上原価 = 売上総利益(粗利)
です。

では、
・資産
・負債
・純資産
ではどうでしょうか?

正解は、
資産 = 負債 + 純資産
です。

これらは企業の財務状況を知る上での基本のキみたいな知識なんですが、
さて、そんなことを考えて、
若手社員・新入社員にとってどんなメリットがあるのでしょうか?

僕が新入社員時代は、「取引先の直近の決算情報は頭に入れて置くのが最低限のマナー」と教えていただき、商談前にはよくIR情報とにらめっこしていたものです。

よくある胡散臭い営業本には、
「商談の冒頭では天気などの話で雰囲気づくりをしよう!」などと書かれてたりしますが、

僕がいた現場では、多くのアイスブレイクは「儲かりまっか?」という会社同士の数字の話でした。
アポを取って商談をしている以上、これが自然な会話の流れだと身をもって感じています。

一方で、大手企業に所属し業績を見る機会が少ないと、どうしても日常業務をこなすのが精一杯で、
自社や取引先の経営状況は、どこか他人事に感じる人も多いのではないのでしょうか。。

ただ少しでも財務諸表を学んでみると、若手社員・新入社員であればあるほど、自分の存在は会社にとって大きなコストなんだと痛感するものです。

仮に新卒入社時の年収が300万なのであれば、
・年収の300万円
・採用費等の初期費用が約70万円、
・保険料や通勤費等の固定費として年間約40万円
の経費が人件費として計上されます。

それゆえ、新入社員が会社のお荷物から卒業するためには、
少なくともこの金額を営業利益(売上ではなく)で稼ぐ必要があります。
※もちろん、会社のビジネスモデルにより多少の変動はあります。

会社の利益を生み出すために自分には何ができるかと考える姿勢は、社会人としてのスタートラインですし、
逆にいうと、若手社員・新入社員が財務諸表を読むことで、
自分の毎日の頑張りが会社の経営状況にどんな影響を与えているのか?というのが目に見えて理解でき、単純にやる気が出ます。

「3人のレンガ積み」という有名な寓話もあるように、目の前の自分の仕事は将来こう繋がっていくんだ!という実感は日々のやりがいに繋がっていると感じます。

また気持ちの面だけでなく、物事を高い視座で考えられることで仕事が上手く回っていくというのも、財務諸表を読めるメリットだと思います。

人脈や実績のない若手社員・新入社員が、売上向上や業務改善の提案を考えたとしても、
「費用がどれくらいかかって、どの期間でペイできそうか?」という視点がなければ、単なるアイデア出しに終始してしまいます。

一方で、損益計算書などを使って数字でロジックを組み立てて提案することで、
若手社員・新入社員であろうと周囲に対する説得力を高めることができます。

新人のうちは、単に売上を上げればいいでしょ!と考えてしまいがちですが、
「その営業活動が費用に見合うのか?」
「与信管理は問題ないのか?」
など、経営的な観点で仕事を捉えることが重要です。
PL/BSの観点で考える習慣がつくことで、
事業管理だけでなく、自身の業務内においても、
必ずやるべきこと、できればやった方がいいこと、やってはいけないことの区別や優先順位付をしやすくなります。
(「計数感覚」と呼ばれてたりもします。)

何も簿記資格を取得するほどのことでも無いですが、財務諸表の各項目の意味を理解し、その変化と企業活動を見比べることで、
経済ニュースの意味がわかったり、自社や他社の経営状況を正しく把握でき、日々の仕事や転職活動にも大きなプラスになると感じています。

特に社会人になって数年経つけど会計用語がちんぷんかんぷんです!という人は、
是非一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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