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#3 現役キャリアアドバイザーが学生時代に考えていたこと③

大学入学後は、また違った意味での自由な毎日が待っていました。

色んな世界を見てみたいと思い進学したわけですが、特に前半2年間はできないことを沢山やろうとしすぎて何もかもが半端に終わった時間でした。

学費の足しのためにアルバイトに励む一方で、
寝る間も惜しんで飲み歩き、
英語が話せないくせに留学生と仲良くなろうとしたり、
他の学部のゼミや、社会人・経営者の集まりに参加したり、
学生団体で慣れないリーダーを掛け持ったりと、
興味の沸いたことにひたすら手を出し続けていました。

地方学生にしては積極的に外に出るタイプだったので、
初めて会う社会人の方からのウケは表面上よかったですが、そんなものは実体の無い評価でした。

結果、複数プロジェクトの仕事を進めていくという未知なことだらけの生活となり、
次々と降ってくるマルチタスクに追われ続けてしまいました。

やりたいと思って始めたことが、いつの間にかやらなければいけないことになり、
楽しいことや達成感もたくさんありましたが、
やるべきことができずに人に迷惑をかけてしまう不甲斐なさを強く感じ続けていました。

自分のキャパシティや得手不得手を客観的に理解できていなかったがために失敗を繰り返し、
目の前の仲間を大切にしたくてもできない自分でした。

至極当然なことではありますが、人に頼らないと自分は何もできないという事実に気づくまで2年間も費やしてしまいました。

そんな中、大学3年生の夏にベンチャー企業で、ネット広告の営業マンとして働くご縁がありました。
この時、ほとんどの組織や友人との距離をとり、初めて1つの会社の一員としてコミットすることになりました。

興味があることに手当たり次第に取り組むだけで、悪い結果を真摯に受け止められなかった自分にとって、
忙しさを自分への言い訳にできないという状況は非常に貴重な経験でした。

プロジェクトベースから会社ベースでの働き方に変わったわけですが、
ここでやっと、仕事のやり方は勉強しなければできるようにならないんだという当たり前のことに初めて気づくことになります。

何よりも、経営者の方がそばにいて仕事を教えてくれるというのは本当にためになりましたし、
会社員として働くことが自分には必要だなと身をもって感じた瞬間でもありました。

周りの友人は就職活動や公務員試験準備を始める頃でしたが、
自分の無力さに打ちひしがれていた僕は、
就活に時間を費やす暇があるなら、せめて入社後に即戦力となるくらいのスキルを身につけるために時間を使おうと心に決めました。

社会人としての基本的能力が全く無いと痛感していた分、こんな自分を雇ってくださいと就活の場で伝える自信を持ち合わせていませんでした。

自分は色んなことに興味だけはあるが、長く続きはしないし、社会に通用する能力は持っていない。
そんな当たり前の自己理解ができた大学生活だなと思っています。

この学びに対するコスパがよかったのかは果たして分かりませんが、
僕の経験上、大学生活は最高のモラトリアム期間だったと思っています。
(もちろん反省すべきところはたくさんありますが。。)

自分はどんな状況でどう振る舞うような人間なのか?というのは意外と体験してみないとわからないものです。

様々な環境に身をおいて失敗を繰り返す中で、
社会に出るまでの心の準備をしていく。


大人になりきれていなかった僕にはそんな経験が必要でしたし、そのおかげで、仮に会社を辞めた後の自分の姿や課題を具体的に想像することができます。

大学進学に迷いややりたいことも定まっていないという方は、
僕のように勉強そっちのけでちっぽけな自分や広い世界を知る時間にするというのも1つの手段としてアリなんじゃないかなと思ったりします。

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