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#50 若手の転職活動は、転職理由の深掘りが命

20代の転職では、面接の際、
「なぜ転職をしようと思ったか?」という、転職理由への質問があります。

スキルさえあればさほど理由は問わないミドル層の転職とは違い、
若手の場合は、転職理由の納得感(定着してくれそうか?)という観点で、入社後のポテンシャルが測られるのです。

誰しもが少なからず、現職に不満があって転職活動をするものですが、この不満をどう伝えるか?が肝になってきます。

不満を隠すことの罠

「面接ではネガティブなことは言わない方がいい」ということが刷り込まれすぎると、不満を隠してしまいがちです。

無難でありきたりな転職理由として、
「キャリアアップがしたいと思ったから。」
「実力で評価してもらえる環境がいいと思ったから。」
と伝えると、

・現職より弊社の方がキャリアアップできると思った理由は?
・そもそもキャリアアップは何をイメージしている?
・弊社の評価制度をどう調べましたか?

と、深掘りされ、矛盾が生じてしどろもどろになりがち。

転職理由の本音を隠すと、どこかで論理的な齟齬が出て、納得感に欠ける面接になってしまうのです。

不満の整理については、下記のステップが超重要です。

①現職への不満を深掘り、一度全て書き出す。
②自分事由と会社事由を切り分け、自分にまだできることがあればチャレンジする。
③会社事由の中で、転職で叶えたい理想を明確にする。(ポジティブ変換する)
④転職先について、どんな情報があれば理想が叶えられると判断できるか?を考える。
⑤情報収集を行い、志望動機に盛り込む。

不満に囚われてしまうと、特に②と③についての思考が抜けがちなので、注意が必要です。

不満の原因は自分には無いか?

なぜ辞めたいか?を言語化する際に避けては通れないのが、
不満の原因は自分には無いか?という問題です。

会社と自分、どちらかが一方的な原因で不満が生じるのは珍しいケースで、ここを切り分けて考えられないと、
「他責をしている人だ。」「自分で問題を解決しようと動けない人だ」と判断されてしまいます。

もちろん、全て自分で背負い込んだり、精神を病んだりする必要はありませんが、
転職の前に自分がやるべきことが無いか?と、一度向き合った人、さらに行動に移せた人は強いです。

過去に僕がお話しした方で、
自分の所属チームの運営に対する不満があり、上司に何度か提言をした人がいました。

その方は転職を決意すると、面接の際に、
「現職の上司にはどういう形で、何回くらい提言をしたのですか?」
と問われることが多かったそうです。

回答として、1対1のミーティングの場で2,3回、上司に直接不満を伝えた。といった内容を答えると、
面接官からは「それですぐ転職?」と思われてしまい、なかなか結果は思わしくなかったそうです。

その結果を真摯に受け止め、現職でできることを再度見つめ直し、
チームメンバーへも意見を聞いて回り、代替案を合わせた資料を上司へぶつけることで納得いただき、結果として非常に働きやすい職場になり、結局、転職をする必要がなくなりました。

その方は元々、転職がしたかったのではなく、
環境を変えるために、転職という手段しか持ち合わせてなかっただけなのです。

その事実を、面接官や、我々キャリアアドバイザーのような第三者の意見で、客観的に捉えることができました。

転職転職と言われる世の中、不満があると自分のやるべきことが見えなくなりがちですが、
この点はぜひ、第三者への相談を通して、やり残したことがないか?を改めて見つめ直すことをお勧めします。

ネガティブをポジティブに置き換える

自分では解決しにくい不満があり、いざ転職活動を始めよう!となった際に、
「ポジティブな転職理由を新しく考えなきゃいけないんじゃないの?」と思われる方が多いです。

しかし、どんな環境で働きたいか?というのは、社会人経験の浅い若手にとってはイメージしづらいもの。

それが想像上のものであれば、その理想を相手に上手く伝えることもできませんし、そんな理想はありえないかもしれません。

面接官にも「文字面のいい言葉ばかりを語ってフワフワしてる人だな〜、若手あるあるだな〜」と思われてしまい、定着に懸念を感じさせてしまいます。

逆に、「こんな環境は嫌だ」というネガティブな条件の方が明確になっているもの。
その気持ちを大事にすることで、地に足がついた転職理由を作ることができます。

・給与が低い。
 → やった分だけ評価される制度設計がある。
・残業が多く体力的につらい。
 →せめて〇時までには帰れること。
  短時間で働くことを良いこととする風土。
・業務の内容にマンネリを感じる。
 →〇〇の分野における業務の幅を広げていきたい。

上記のように、不満をそのまま伝えるのではなく、ポジティブに裏返して、自分の叶えたい明確な理想を言語化することで、面接官の納得感に繋げることができます。

転職活動か長くなったり、キラキラした色んな会社を見たりしていると、
「自分は何を叶えるために転職しようとしているか?」が見えなくなりがちです。

転職自体が目的化しないよう、定期的に立ち止まる癖をつけ、後悔のない転職活動をしていってほしいなと思います。

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