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日本の美意識

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日本の美意識、余白、に関して調べるために読んだ本
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#室町時代

日本の美意識 ~長谷川等伯「松林図屏風」より~

余白の美は、長谷川等伯の松林図、と暗記した気がする。等伯は南宋の牧谿の画に影響受けたらしいので、牧谿画の受容が室町時代だから、余白の美は桃山時代に意識化された美意識なのかな。

長谷川等伯「松林図屏風」

長谷川等伯が私淑した、南宋時代の牧谿の水墨画は、室町時代に茶掛けとして人気だったらしい。好んで日本に輸入された理由は、独特な霧の中のような表現が好まれたとか、死後中国での評価が下がったので輸入し

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日本の美意識 ~珠光『心の文』より~

”この道の一大事は和漢のさかいをまぎらかす事、肝要〱、ようじんあるべき事なり。また当時、ひゑかるゝと申して、初心の人体がびぜん物・しがらき物などをもちて、人も許さぬたけくらむ事、言語道断なり。かるゝと云う事は、よき道具をもち、そのあぢわひをよくしりて、心の下地によりてたけくらみて後までひへやせてこそ面白くあるべきなり・・・。”

「心の文」茶人珠光から古市澄胤へ書き送ったもの。
「冷える」「かれる

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