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発表会とコンクール

今年二回目のクラシックギターの発表会が無事終わりました。
今回の演目は
CARCASSI エチュード Op.60-7
でした。全編にわたって16分音符のアルペジオが続くallegroの曲。前回がハーモニーと旋律を聞かせる曲だったので、今回は軽快なアルペジオのなかに旋律を織り込んで魅せる曲を弾くことが出来ていい経験になりました。

やっぱり、人前で弾くというのはいいな!緊張するけども、この日のためにやってきたんだ、という喜びがあります。
室内楽コンサート用の200席のヴィンヤード型ホールで弾かせてもらうのは貴重な経験。音を遠くまで響かせることを考えて弾ける。いかに、この空間に響かせるための最適な体の使い方を見つけるか。

クラシックギターの音は、楽器を良く響かせれば広いホールの後ろの席まで確かに届かせることができます。(※後述のコンクールは450席のシューボックス型のホールでした)でも、それは力によって弦を震わせるのではなく、自然な腕と指の重みで弦を振動させるのが大事。脱力といっても、ただ力が抜けていればいいのではありません。しなやかに、自然に、必要なところに必要な分だけの重みが載るように。でも軽快に。矛盾しているけれど、そのバランスが大事。何事も経験。

軽快な曲を、本番でどこまで軽快に弾くかって、なかなか怖い問題です。今回は右指で弦をある程度つかむように安全策を取りました。またいつか軽快なアルペジオがある曲を弾くときは、もっと軽く弾いてみようと思いました。とりあえず、安全に弾こうと思えば安全に弾ける、という経験を積みました。

でも、ひとつ失敗したことがありました。それはいつも使っているギターレストという道具があるのですが、どういうわけかそれを持ってくるのを忘れてきてしまったんですよね…。なぜなのか、自分でも不思議。
今回は知り合いに足台をお借りして弾くことにしました。それで問題はないのだけれど、いつもの慣れた道具ではないのでやはり違和感があって気になりました。
自覚がなくても、本番前はそわそわしていたのだろうなと反省。今後は、子どもの時のように「忘れ物チェックリスト」をちゃんと作成しようと思います!

さて、発表会が終わりましたら続いてはコンクールを聞きに行ってまいりました。しかも、二つのコンクール!面白かった~。
バイオリン、ピアノ、チェロのコンクール映像をテレビや動画で見ることはありましたが、実際に会場に足を運んで何時間も観覧したのは初めてでした。めちゃくちゃ面白かったです。そして勉強になりました。

コンクールには、課題曲と自由曲があります。想像するに、みんなが同じ曲を弾くのって聞き飽きるのかなぁなどと想像していたのですが(失礼)、全く飽きませんでした。むしろ、コンテスタントたちの個性あふれる音色の違いに圧倒されながら、その演奏の幅をたっぷりと楽しみました。個性あふれる演奏って、本当にわくわくする!おんなじ曲なのに全然違う情景が心に広がりました。
また自由曲も、知らない曲をたくさん聞けるという楽しみがあるんだなと思いました。

二つのコンクールというのは、一つはプロを目指す人のためのコンクール。もう一つは、年齢別(小学生からシニアまで)に分けられた、アマチュアのためのコンクール。
これがまた、どちらも勉強になった。

前者は、何人かはもう音楽家としての片鱗が感じられる演奏をした人もいた。なるほどな、と思った。技術と音楽性が一つになって、聞いている人の心に届く音色をちゃんと持っているとこういう演奏ができるのだと感じた。これは、比較して何人も連続で聞けるからこそ感じたことでした。

後者は、もう技術も選曲も様々すぎて楽しかった笑。このままコンサートしてもいいんじゃない?と思うような人もいれば、止まりそうでひやひやする人もいた。
とりわけ、一般(成人?)の部は総じてレベルが高く、現代曲の不思議な和音や、技巧的なパッセージも実に自然に見事に音楽的に弾いている方々もいました。刺激を受けました…。みんなこんなに長い曲をよくぞ暗譜で!すごい!
そして、コンクールの最後にはプロの演奏家によるミニコンサートがあり、これまた完全暗譜で何曲も演奏する姿、謙虚な態度、見事な名演奏に感動しました。

何時間も聞いていたのだけれど、参加したお一人お一人から発される様々な種類のエネルギーと人生の輝きを感じて、あっという間に過ぎていきました。
振り返って、自分の発表会を思い出すと、もっとたくさん練習したい~!!という気持ちになりました。自分の音色や自分のスタイルを見つけて、たくさんの曲を弾いていきたい!!刺激をいっぱい受け、充実した経験となりました。大満足でした。

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