高田朔実

小説を書いたり、森林に関わる仕事をしたりしています。 南米や北海道が好きで、よく行って…

高田朔実

小説を書いたり、森林に関わる仕事をしたりしています。 南米や北海道が好きで、よく行っていました。 よろしくお願いいたします。 Kindleで小説『タキーレにて』www.amazon.co.jp/dp/B09Y4DVVHW を販売中です。 ぜひご覧ください。

マガジン

  • 今日の園芸

  • 読書あれこれ(映画も含む)

    読書や映画について、いろいろ書いてみる予定です。

  • 1000個捨てる

    2024年のうちに、部屋をすっきりさせたいということで、毎週のように部屋を掃除した振り返りをしていきたいと思います。

  • 誰も知らない国から

    転校生の天野君は、なんだか不思議な人だった。 有泉は、一緒に掃除当番をしながら、彼に興味を持っていく。 「僕はね、誰も知らない国から来たんだ」 「……はあ」 「そこは、名前のない地図にも載っていない、誰も知らないような、いくつも山を越えてたどり着くような、そんなところにあったんだ」

  • 猫の夢

    前から思ってたんだけど、僕の人生って、本当はゼロ階から百階まであるビルの、四十五階から五十五階付近をずっとうろうろしている、そんなふうになりつつある気がするんだよ。悔しいことに、起きているときの僕はそのことを忘れてしまう。まあ、安定した生活とはいえ日々の雑務に忙しいからね。 (本文より) 小説です。全三十数話の予定です。

最近の記事

さようなら、アリさんたち

猛暑のせいなのか、長年住んでいるからなのか、今年の夏は小さなアリたちが家の中にたくさん入ってきてしまいました。 しかも、最初のころはベランダから入っているのが見えてそこで流れを断ったつもりだったのですが、いつの間にか部屋の中に住み着いてしまったアリさんたちもいるようで、もう駆除するしかなくなってしまいました。 以前、ちょっと中身が残っていたメープルシロップの瓶の中で自滅していたアリたちを見たことがあったので、瓶のふたに、はちみつを入れて置いておきました。しかし、アリさんたちは

    • みつろうリップを作ってみた

      二週間前くらいに、色つきリップについての記事を書きました。 そのとき、「以前は濃すぎる口紅を、ミツロウで作ったクリームで薄めて使っていた」ということを書きました。 人間は何年経ってもやることはそう変わらないと言います。 というわけで、またやってしまいました。 メンソレータムフラッシュティントのブラウンのリップがなかなか良くて、でももう少し赤みがあるといいなあと思い、同じくメンソレータムのリップドレスのブラウンレッドがよさそうだと思ってメルカリで買ってみたのですが。 素敵な

      • 胡蝶蘭の新葉

        けっこう前から、まだかなまだかなと、じーっと見ていたリンデニー(胡蝶蘭原種)。 今日、ようやく葉っぱが出ました。 背景の写真が新葉の写真です。 え? これ? も思うがしれませんが、毎日色々な胡蝶蘭の新葉チェックをしていると、わかるようになるのです。 そうして、一度出始めた葉っぱは瞬く間に大きくなっていくのです。 初めて栽培する種類で、しかも原種なので、生き延びようとする意思が感じられてほっとしました。 いつの間にやら…と思えるくらいに、大きくなってほしいものです。

        • 植物の勉強をしてみる②

          高校の生物で、「種属科目網門界」という言葉を聞いたことがある人もいると思います。 これまで私が足を踏み入れていたのは種属科まででしたが、今回勉強するにあたって、目まで視野に入れるようになってきました。 以前は、植物は形などを元に「これは〇科だ」などと分類されていましたが、最近は、遺伝子解析なども使われるようになり、これまでの分類が大きく変わったようです。もうカエデはカエデ科ではないのです(なんて言ってる時点で古い人なのか?) ”APG体系(エーピージーたいけい)は、199

        さようなら、アリさんたち

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        記事

          パドレ・プロジェクト ~父の影を追って~を観てきました

          昨日は、新宿で「パドレ・プロジェクト ~父の影を追って~」という映画を観てきました。 (写真はイメージです、なんとなく、雰囲気が似ているようなということで……)。 https://padreproject.jp/ 監督の竹内さんは、お母様は日本人で、お父様はカメルーンの方だとのこと。 お二人はイタリアで知り合い親しくなりますが、お母様はやがて日本に帰り、結婚をしないまま竹内さんが生まれたそうです。その後2歳のときに一度だけお父様に会いに行ったの、親同士の関係がうまくいかな

          パドレ・プロジェクト ~父の影を追って~を観てきました

          原作と映像化のことで

          とある映画のHPを見ていたら、脚本家さんのコメントで、 「原作の世界観を見誤らないように何度も原作を読み返して、作者の助言もいただきながら執筆を進めた」 という趣旨のことが書いてありました。 原作のある作品を映画化する問題……、私は片方しか見ないことが多いかもしれませんが、脚本家の方もいろいろな方がいらっしゃるなと思いました。 こういう考えで進めていくほうが一般的なのか、それとも少数派なのかもわかりませんが、できればこうやって進めて欲しいと思うのでした。 少なくとも、脚本家さ

          原作と映像化のことで

          色つきのリップクリーム

          マスクをしない生活を始めて、そろそろ半年だか一年だか、それなりに時間が経過しています。 コロナ禍真っ最中のときにも、マスクをしつつしっかりと口紅を塗っていた方もいたとは思いますが、私はマスクにつくのが嫌で、普通のリップクリームすらあまりつけなくなっていました。 もともといた職場が、屋外での活動が多く、先輩の女性社員はほとんどお化粧をしないような職場だったので、(時代の流れやメイク用品の改善により、今の若い人はもう少ししているかもしれません)、職場に口紅をつけていくという習慣が

          色つきのリップクリーム

          植物の勉強をしてみる

          最近、植物の勉強を始めました。 植物の勉強って、なんてあいまいな…という感じですが、この秋に、試しに受けてみようかと思っている試験の勉強をしています。 そうしてその試験では、試験範囲や使用テキストなどはほぼ特定されておらず、過去問を見ながら必要だと思うところを勉強してください、という感じなのです。試験に受からないと仕事がなくなるということでもないので、興味のある範囲を広げられたらいいかなあ、程度で考えています、まさに趣味の範囲…。今更、一日8時間勉強とか、寝る間を惜しんで、楽

          植物の勉強をしてみる

          気候が変わりつつある中で着たい服(夏)

          気候だけではなく、体型や年齢も変わっていますが…。 最近、十年、もしくはそれ以上前の服などを着てみて思うのですが、着用はできるけど、気候が変わってしまったせいか、着続けることが難しくなっているような気がします。 暑くなりすぎたというのもありますが、冷房が効きすぎているというのもあるような…、もしかすると、冷房は以前からこれくらい効いていたけれども、外が暑すぎるので寒暖差がすごくなったということでしょうか。 つまり、「まあ暑いけど、がまんすれば着れるかな?」という我慢できる範囲

          気候が変わりつつある中で着たい服(夏)

          片付けで残したものを利用していく

          片付けに夢中になっていたときは、どれも自分で選んで買ったはずのものなのに、なんだかリサイクルショップで掘り出し物を探しているみたい、と思っていました。 どれもこれも、使うために買ったつもりだったのは確かでした。 使い方や使い心地を知っていて継続して使う予定のあるものと、試しに使ってみたいけど試すには買うしかないものとがあったり。 さらに、よく使っていたけれども、生活スタイルや考え方などが変わって使わなくなったり、もっとよいものを買って使わなくなったりと、欲しくて買ったはずなの

          片付けで残したものを利用していく

          洋服を厳選したい その後

          2か月ほど前に、エクセル表を使って、買った服、着た服の管理をしている、ということを紹介しました。 これは、今でも続いています。 これを見ながら、この服最近よく着てるからちょっと休ませようかなとか、最近あまり着てないからそろそろ着るかとか、前はこの服と組み合わせたから今度は違う服と合わせてみようなど、なかなか有意義に続けられています。 そうしてこの間、パラスパレスの黄緑色のスカートをはいて、記録して、以前はいたのはいつだったっけと見ていたら…なんと2ヶ月以上はいていませんでし

          洋服を厳選したい その後

          VネックTシャツを探して

          私はここ最近、服は無印かモンベルで買っていることが多いのですが、一つ問題がありました。どちらのお店でも、VネックのTシャツが、私が知る限り扱われていないのです。 骨格診断など知らない時代から、なんとなく私にはVネックのほうが合っている気がしましたし、また夏場に首元まであるような丸首の服を着るのは年々暑さが増している中でだんだん体調管理の問題にも発展しそうで、VネックのTシャツを求めていました。 しかし、無印、モンベル以外にユニクロまで手を広げても、VネックTシャツは見つかりま

          VネックTシャツを探して

          誰も知らない国から 最終話

          いつもの街2 ④  先生に言って鍵を借りれば図書室に入れるにしても、天野君と過ごした場所に、天野君なしでいないといけないのはあまりに虚しくて、図書館にも行かなくなった。  放課後どこにいればいいのかわからなくなって、家にずっといるのもなんだし、かといって元旅人の少年のように学校帰りに喫茶店に寄ったりできるほどお金を持っているわけではなく(それにどうせこの町の喫茶店では、この地域の代わり映えのない人たちしかいないだろう)、公園でぶらぶらしようにも誰かに会ってしまうかと思うと、

          誰も知らない国から 最終話

          誰も知らない国から 37

          いつもの街2③  やがて夏休みも終わり、学校が始まった。  ひと月前にも、私は毎日のように学校に来ていたはずなのに、私は本当にこんなところにいたのだろうかと、つい疑ってしまう。サリリみたいに、私は旅人の石の作用で、ずっとここにいる人と思い込まされているだけで、本当はここは初めての場所なのではないか、そんな気がしてしまう――、そう思いたいだけなのかもしれないが。  あの世界で生きていた私と今ここにいる私は、確かに同じ私なのだけど、今の私はここに慣れつつあるけれど、あっちにいた

          誰も知らない国から 37

          誰も知らない国から 36

          いつもの街2②  家に戻ってリビングの時計を見ると、私が出かけた日付のままだった。まあそうなんだろうなと思いながらも、認めざるを得ないんだなという気持ちになる。また暑い夏をやり過ごさないといけないんだ、そう思うだけでなく、クラクラしてきた。  着替えて庭に出ると、ぐったりした植物たちが目に入った。羊はいないけど、私には植物たちがいたのだ。すっかり忘れていた。こちらでは時間が経っていなくて本当によかった。  みんな萎れかけているかのようだ。私が好きで栽培しているのだから、家族

          誰も知らない国から 36

          誰も知らない国から 35

          いつもの街2① 「空いたお皿をおさげします」  愛想のかけらもない店員さんが、目の前で空いた容器を下げようとした。  天野君のクリームソーダの器は、いつの間にかすっかり空になっている。 「ちょっと待って下さい」  少し声が強くなってしまったようで、近くにいる人たちがちらっとこちらを見る。店員さんは、少しむっとした表情を見せ、無言で去っていった。混んでるんだからさっさと帰ってよ、とでも言いたげだった。向かい側の席を見たけど、そこには誰も座っていなかった。  ほんの少し前、一分

          誰も知らない国から 35