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エストニアに届け!足元にある「うるま市島しょ地域」のリアルを学ぶ!#ネット授業【地域学習×キャリア教育①】

 みなさん、こんにちは!スタッフの白石綾です。
2学期の「ネット授業」の様子をお届けします!

■ネット授業とは
うるま市島しょ地域(海中道路から橋でつながる4島のこどもたちが通う『彩橋小学校』の5~6年生の児童)の小学生が、1人一台の端末を使い、Zoomをつないで行う授業のこと。
5月から週に1度の総合学習の時間を使って行っています。

https://note.com/uruma_ict/n/nf9c7ffe14666

2022年度2学期のテーマは、

「地域学習×キャリア教育」。


地域や人に出会うリアルな学び
それをオンラインを通して海外の人に伝えるという
【日本】も【海】も越えたネット授業になっています。

2022年度2学期のテーマは「地域学習×キャリア」


全体の構成として大きく3つのステップに分け、授業を進めていきました。 

2022年度2学期「ネット授業」テーマ:地域学習×キャリア
Step1:島のことを知る(人と出会う/地域を歩く)
Step2:島のことを伝えるための準備(資料作り/プレゼン練習)
Step3:島のことを伝える(エストニアの生徒へ!交流授業を予定)

最終的には、海を超えた遠い遠いエストニアの離島地域に住む生徒との交流授業をゴールとしているんです…!

今回の記事では、まずStep1として具体的に何をしたのかご紹介したいと思います!

【Step1】島のことを知る


「フィールドワーク」「ゲストトーク」の2つを柱に「地域を知る」「人を知る」ことを目的に進めました。
 
2022年9月27日に実施した「フィールドワーク」には、地域で活動する4名のゲスト講師に依頼し、児童と一緒に、島のことを知り、考えるワークを行ったので写真も交えてご報告します!

フィールドワークってどんなことしたの?

フィールドワークは、4名のゲストのテーマなどを紹介したあと、児童が希望するテーマを選択してグループ分けを行いました。事前に知りたいことや調べたいこと、聞きたいことをまとめたり、鹿谷さんの事前講義を受けて沖縄やうるま島嶼地域の自然環境や海の特徴について学びました。


ゲスト紹介はローカルで活躍するこの4名!

今回、講師としてご協力頂いた4名のゲストを紹介します。


◆グループ1:屋比久 壮実さん(自然フィールド図鑑/生物・地学講師)

生物や地学の講師として30年以上のキャリアを持つ他、沖縄で最も販売数の多い自然フィールド図鑑を出版、県立博物館やうるま市を含む各地の生涯学習や学校等で、自然観察会などのフィールドワークを実施している。

◆グループ2:高良 吟二さん(コンポスト大学生/環境活動家)

「コンポスト大学生」として活動しているお兄さん。2000年生まれのうちなーんちゅ。
昨年から生ごみを土に還す”コンポスト”の魅力を伝えるため、SNS発信やコンポストの販売、子供たちへの環境教育などの活動を行なっている。
沖縄一周ビーチクリーンやごみ収集のお兄さんなども経験。今現在はごみ関連企業や農業系スタートアップでインターンなど幅広く活動している。


◆グループ3:前田一舟さん(海の文化資料館・学芸員)

うるま市出身。うるま市立海の文化資料館の学芸員をしている。文化人類学の研究をしており、沖縄を中心に台湾、中国福建省、日本本州などの文化との比較研究をしている。人類文化や自然、動物、植物など幅広い知識があり、博物館が所蔵する資料や地域の自然遺産や歴史文化遺産を活用し、幼稚園の園児や小学校と中学校の児童生徒へ学びのプログラムを提供している。


◆グループ4:鹿谷 麻夕さん(海の環境教育/自然案内)

海の研究を進める中で、サンゴが激減した沖縄の変わり果てた海に衝撃を受け、「守らなければ、現状を伝えていかなければ」との想いから、沖縄に戻り活動を開始。2003年より「しかたに自然案内」として、学校、地域の子どもや大人の集まり、様々な団体へ自然観察、環境教育や海洋教育、海ごみに関する講演等を行っている。




フィールドワークの様子

グループ1 身近な自然と沖縄の暮らし・文化

屋比久さんグループは、「身近な自然と沖縄の暮らし・文化」をテーマに彩橋小学校の校内を散策し、その後草木でものづくりを行いました。

校内探検では、校内にある木や植物の名前の由来や生態を知って、みんな興味津々の様子。

独特な匂いを持つ臭い葉っぱや、服にペタペタくっつく葉っぱ、毒を持つ葉っぱ、カラフルな葉っぱなど、たくさんの植物に出会いました!

葉っぱを使ったものづくり体験では、風車やロープを作りました。

作ってる時は難しそうにしながらもみんなすごく真剣。

風車が完成したら走り回り、ロープが完成したら手すりに引っ掛けて全体重をかけるなどして、身近な自然を暮らしの中でも利用できることを体感しました。

屋比久さんのお話もみんな真剣に聞き、メモをたくさんとって、質問もたくさん飛び交いました。


グループ2 コンポストを体験しよう

高良さんグループは、彩橋小学校からバスで浜比嘉島に移動し、まずは浜比嘉ビーチでビーチクリーンを行いました。

どのようなゴミがあるか観察しながら歩いていると、花火のごみや空き缶が多いことを発見、何故かペットボトルの本体は無く、キャップだけ沢山落ちてることなどに気が付きました。

その後、HAMACHU(浜比嘉島地域交流拠点施設)に移動し、ゴミ問題や環境問題について考えました。

1日で人間はどのくらいゴミを捨てている?もっと減らせる方法はあるのか?それぞれ意見を出し合いました。


コンポストの仕組みを聞いて、みんな興味津々。実際に食べ終わったバナナやみかんの皮をコンポストに入れてみました。
次回までにどんな風になっているのか楽しみです。


グループ3 海の暮らしの歴史文化散歩

前田さんグループは、彩橋小学校からバスで浜比嘉島に移動し、「食文化」をテーマに集落内を散策しました。

浜比嘉の民家の庭には、土器がたくさん落ちていることを知り、実際に触ってみたりしました。この土器、なんと2000年前のものだそう!

また、パパイヤや食べられる草(ねんじゅも)を探したり、干潟で食べられる貝(いそあわもち)を探したりと、みんな食べ物のこととなると、とても夢中に探し回っていました。


移動中も児童たちは、前田さんにたくさんの質問をして島の暮らしと海との関わりについて知識を深めました。

前田さんがしてくださるお話は、2000年前とか9000年前というスケールの大きい話をさらりとしてくださるので、時空を飛び越えたような体験に子どもたちは圧倒されていました。

グループ4 漂着物を見に行こう

鹿谷さんグループは、彩橋小学校からバスで海中道路に移動し、海の駅あやはし館横の砂浜で漂着物拾いを行いました。

日頃、漂着ゴミに関心を持っていたり、海岸清掃を行ったりしている子どもたちは、最初はゴミに目がいきがちでしたが、鹿谷さんから海岸にはいろいろなものが辿りついていることを聞くと、だんだんと様々なものが目に留まるようになりました。


自分の気になるものを拾ったり、大きくて運べないものなどは写真を撮ったりしながら歩き、最終的に集めたものすべてを分別してどのようなものがあるのか調べてみました。


分別する際には、「陸からのもの」か「海からのもの」なのか分け、さらに「動物」「植物」「人工物」のどれなのか、6つに分類しました。中には人工物なのか自然のものなのか意見が分かれるものもありました。


またスポンジの由来である、海綿を知りみんな驚いていました。マイクロプラスチックなどもあり、どのよう発生するのか、こうしたものを減らす工夫はできるのか、などについても話し合いました。


フィールドワークを通じ、五感で感じた体験を原点に

今回のフィールドワークでは、いずれのグループも実際に、見て、触って、体感してみることにたくさんチャレンジしました。

子どもたちはいろいろな気づきを得たり、驚いたり、もっとこれ知りたいな、と新たな疑問が湧いたりと、それぞれ有意義な時間になりました。

ネット授業はStep2、Step3と続きます!

次のエピソードでは、ゲストのみなさんが
・なぜ今こんな活動をしているの??
・どんな想いでやっているの⁇
・どんな子ども時代だったの??

そんなことにも触れながら、より自分たちの住む島、地域のことについて理解を深める時間にしていきます。

次回の報告もお楽しみに!


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