♯4 プレミアリーグの特徴

 今回は群雄割拠のプレミアリーグ全体のザックリとした特徴述べていこうと思う。

莫大な放映権料のおかげでプレミアリーグは一気に台頭

 10年前まではメッシやチャビ、イニエスタら擁するバルセロナやC•ロナウド、セルヒオ•ラモスら擁するレアルマドリーなどを中心にラ•リーガのチームがチャンピオンズリーグなどでも結果を残していた。  

 しかし、近年になって莫大な放映権料によってプレミアリーグの多くのチームが大量補強で力をつけ、今ではプレミアリーグの注目度、強度共に世界最高と言っていいだろう。近年ではチャンピオンズリーグでもリバプール、チェルシーが優勝しており、それぞれ決勝の相手はトッテナム、シティとプレミアリーグが上位を占めている。何せプレミア最下位のチームがブンデス優勝チームよりも多く放映権料を貰っているくらいなのだ。チームが強くなるのも当然である。(それでもバルセロナがチャンピオンズリーグのグループステージで敗退するとは思わなかったが…)

降格権にいるチームでも…

 実際、プレミアリーグは10年前と比べると明らかにレベルが上がっている。それは上位陣だけに言えることではない。かつては、降格権にいるようなチームに代表選手などほぼいなかったが、今ではどのチームにも代表選手がズラリと並んでいる。実際、現在最下位のノリッジには、ビッククラブが注目していたトルコ代表のオザン•カバクやコソボ代表のミロシュ•ラシツァ、さらには香川真司が所属しているPAOKに昨シーズンまで在籍し、将来を嘱望されていたギリシャ代表のクリストス・ツォリスなどが在籍しており、その他にも、オランダ代表GKティム•クルル、フィンランド代表FWテーム•プッキなどが在籍している。いずれも他のリーグならヨーロッパリーグを狙うくらいのチームにいてもおかしくないレベルの選手である。

今シーズンのプレミアはチェルシー、シティ、チェルシーの3強と言われているが…

 そのため、プレミアリーグは他のリーグ以上に上位と下位の実力が拮抗しているように思う。今シーズンのプレミアリーグはチェルシー、シティ、リバプールの3強とも言われているが、3チーム共、下位チーム相手の試合でも苦戦している場面が見受けられる。まずはチェルシー。第8節のブレンドフォード戦や第14節のワトフォード戦ではそれぞれ1-0、2-1の勝利を収めたが、明らかに苦戦しており、特に前者にはシュート17、枠内シュート7本も打たれている。(チェルシーはそれぞれ5、1)そして、第11節のバーンリー戦ではホームであるにも関わらず1-1のドローという結果である。次に、シティだが、第5節のサウサンプトン戦ではホームでスコアレスドロー、第10節のクリスタルパレス戦では0-2の敗北を喫している。そしてリバプールも第6節のブレントフォード戦では3-3で引き分けている。

 これらはボトムハーフ相手にポイントを落とした、あるいは苦戦した試合を列挙したが、ビック6(もはや死語であるが)以外のトップ10で言えば、ウエストハムは、シティ戦こそ惜しくも2-1で敗北したものの、リバプール、チェルシーには3-2で勝利しており、敗北したシティ戦も試合内容は決して悪くなかった。また、ブライトンもリバプール相手にアウェイで2-2の引き分けとなっている。

 このように今シーズンのプレミアリーグではジャイアントキリングが珍しくない。そこがプレミアリーグ最大の魅力だと自分は思っている。どの試合を見ても面白いのだ。そして、実力が拮抗しているため、不調が長引くと一気に順位を落とすこともあり得るのである。序盤は調子が良かったエバートンやブレントフォードも徐々に順位を落とし、今ではボトムハーフに沈んでいる。

 とはいえ、先述した3チーム他のプレミアのチームよりも明らかに実力は飛び抜けており、監督、選手共に世界最高峰と言っていい。間違いなくチャンピオンズリーグでも優勝候補筆頭であろう。

 だが、4位以降はマンU、トッテナム、アーセナルのビック6や、近年力をつけているウエストハム、レスター、ウルブズ、そして、マンU、トッテナムと同様に監督を変更して上昇気流に乗るアストンビラやパスサッカーを主体としたブライトンなどが熾烈な上位争いを繰り広げていくことになるだろう。前節9試合ぶりに勝利を収めたエバートンなんかが復調してくればますます面白い展開になるはずである。

 今シーズンのプレミアリーグは近年以上に実力が拮抗している印象を受ける。これからの試合も楽しみで仕方がない。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?