緊急時に落ち着いて冷静に作業することの重要性を感じた

感情優先派と効率優先派が居るので立場を明確にしないと話が噛み合わないなーと感じた話。

私はITエンジニアとして働いている。
ある日、本番環境でバグが見つかった。正確に言うとユーザーから問い合わせがあり、調査の結果バグと分かった。
職場では顧客に影響が出るバグは最優先で対応することになっており、私のチームも最優先で対応した。
バグの修正作業だけでなく、バグが起きているアナウンスを出したり、問い合わせに回答するマニュアルを作成するなど、エンジニア以外の人も作業に追われるので、ちょっとした騒ぎになる。当然、エンジニアはバグの調査と修正で大忙しだ。

エンジニアで原因特定し、修正にあたっているときにエンジニア同士で以下のような声掛けを行った。
「原因特定まで完了したので、手分けして修正作業をしましょう。落ち着いていつも通り進めましょう!」

焦って別のバグを埋め込むことだけは一番避けたい。それならば落ち着いていつも通り作業するのが一番効率が良いと思っての発言だった。
しかし、それに烈火の如く怒る人が居た。その人は非エンジニアである。
その人の言い分はこうだった。
「バグで操作できていないユーザーが居る。バグ対応で問い合わせ窓口で謝っている人が居る。バグ対応でたくさんの人が頑張っているのにバグを埋め込んだエンジニアが落ち着いていつも通り進めるとは何事か!」

この記事を読んでいるあなたがエンジニアだったら「何を言ってるのか、この人は。」と思うだろうし、当時の私も意味わからず、無視して作業し、無事にバグは修正できた。しかし、もやもやを抱えることになった。そのことについて考えていきたい。

バグの発見からの修正作業はチームにおいては緊急事態だった。
そして、緊急事態では二者択一が迫られる。今回は「落ち着いて効率良く作業すること」vs「必死に頑張って全力を出していること」である。
必死に頑張って全力で効率よく作業することはできない。2次災害を生まないためには落ち着いて普段通り淡々と作業する必要がある。

冷静に考えると前者の方が良いと思ってくれるだろう。
が、渦中に居ると後者に寄る人が現れる印象がある。

2024年元旦に地震が起きた。緊急度合いでいえばバグ発生なんて比にならない。
素早く救助して復旧するには政府や自治体、自衛隊の判断に従って行動するのが良さそうだ。
が、彼らはプロ故に日ごろの訓練通り淡々と作業をする。悪く言えば必死さがない。最も効率が良い方法だからだ。
そうすると感情派の「もっと頑張れよ!なんで被災者の声に耳を傾けない!」みたいな意見が出てくる。
現場で作業している人たちも1秒でも早く助けたいし、復旧したいと思っているに決まっている。そして頑張っている。
しかし、頑張っているアピールをしても人は助からないから、今できることを落ち着いて進めている。

落ち着いて効率よく日ごろと同じ精神状態で作業を進めること。それが緊急時に一番効率よく物事を進める手段だと思う。
緊急事態を切り抜けた後、感情に寄り添うのが良いと思う。
バグ修正の時も修正が完了してから、改めて関係各所への報告や経緯の説明などを行ったし、チーム内で反省会もした。

今回の騒動を見ることで、自身のバグ修正時に感じたもやもやを言語化できたので書いてみた。
緊急時の対応中に「感情優先に寄っているな?」と自覚出来たら、今優先すべきは感情なのか効率なのかを冷静に判断していきたい。


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