タンポポのおはなし
こんにちは、うりぼうです。
前回はクイズを思いついてしまったので呟いてみましたが、みなさん楽しんでくれたようで、私もとっても嬉しかったです(#^^#)
ただ、ちょっと地域限定のものが入っていたので、難問になってしまったみたいでごめんなさい💦
noteに投稿したあと、関西人の友達に同じ問題を出し正解を明かしたら、「その種類は知らない」と言われてしまいました^^;
おう!そういえば京野菜でしたね、アナタ…
他に大阪野菜も混じっていて「シマッタ…」としか言いようがありませんでした。
でもきっと楽しんで頂けたはず!と前向きに受け止めて、今回は植物の記事を書きますね。
とはいえ、今の時期寒いし茶色いので、引き込もり気味のワタクシ。
そこでいつもとは違う、植物の記事をお届けします。
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みなさんは「タンポポ」をご存知ですか?
そうそう、春になると黄色いお花を咲かせる、あの植物です。
幼稚園か小学校の時に、私はタンポポの歌を習いました。
子どもながらにこの歌詞が好きで、タンポポの花ってとても強くて綺麗だな、タンポポを贈るって素敵だな、と思っていました。
今でもこの曲好きなのですが、この歌は日立製作所の労働闘争の歌として作られたことを最近知りました。
どの辺がそうなのかよくわかりませんが、2学年の弟が、同じ学校(幼稚園も小学校も、もちろん同じです)で習ってきたタンポポの歌が「とべたんぽぽ」という曲に変わっていたのは、そういう影響もあったのかしら?なんて今になって思います。
さて、なんでこんな話をしたのかというと、このたんぽぽの歌でぜひとも注目して欲しいところがあるからです。
それは1番の歌詞。
「いやいや、秋や冬もたんぽぽ咲いてることあるやん!」とお思いのみなさま。
お待たせしました。これからがこの記事の本番です。
(前置き長い…)
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おととし位だったともうのですが、私は1冊の本を買いました。
稲垣先生の本は、文章がわかりやすく面白いので好きなのですが、この本もとても読みやすいです。
この本は植物ごとに色んなお話が載っていて、私の記事でも参考にさせていただくことも多く、とっても勉強になっているのですが、「タンポポ」の話を読んだとき衝撃を受けました。
今回はそのタンポポの話を読んで、ここ数年ずっと気になって調べたことをお話したいと思います。
まず最初に、タンポポには日本に古くから存在しているカントウタンポポなどの「在来タンポポ(日本タンポポとも言われます)」と、外国からやってきた「外来タンポポ(西洋タンポポとも言われます)」があるのはご存知の方も多いかもしれません。
この二種類はガクの部分を見ると見分けることができます。
実際に見比べてみましょう。
本の中でまず驚いたのが、「在来のタンポポは春しか花を咲かせることができないが、外来のタンポポは一年中花を咲かせることができる」という部分でした。
私はそれまで、秋や冬に見かけるタンポポは、ホトケノザなどのように暖かくなったときに勘違いして花を咲かせているものだとばかり思っていました。
そこでおととし、昨年と、秋・冬あたりに咲いているタンポポを観察してみました。
結果…「わお!みんな外来タンポポ!!!」
衝撃です。もうビックリです!
本当に「在来タンポポ」は春にしか咲いていないではないですか!
「たんぽぽ」の歌が作られた時代、きっとまだそれほど「外来タンポポ」も広がっていなかったと思うので、春を夢見ている「在来タンポポ」の、冬の寒さをじっと耐える姿がますます心を打ちます。
私はこのタンポポの花の時期を知るまで、「外来タンポポ」の勢力が強く「在来タンポポ」が追いやられてしまったので、「在来タンポポ」は自然豊かな場所でしか見られなくなり遭遇率が低いのだとばかり思っていました。
ところがそれは、「在来タンポポ」が季節限定で花開くためにそう感じてしまっていた可能性があったわけです。
では実際のところ、「在来タンポポ」と「外来タンポポ」って仲良く棲み分けをしているのでしょうか?
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稲垣先生の別の本「面白くて眠れなくなる植物学」にもタンポポの話が載っています。
その本によると色々な戦局があるようです。
ざっくりまとめるとこんな感じです。
① 種の作り方
「在来タンポポ」は他の虫などに受粉してもらうことでタネを作ります。しかし、「外来タンポポ」は受粉しなくても自分で種を作り出せる機能があるので、時期を問わず花を咲かせ、種を作ることができます。
② 種の大きさ
「在来タンポポ」の種は大きく、風に飛んでも比較的近くの場所にしか飛ばせません。それに比べて「外来タンポポ」の種は小さく軽く、遠くまで飛ばすことができます。
③ 種の量
「外来タンポポ」は「在来タンポポ」に比べて花が大きいのでたくさんの種子を作ることができます。(それで年柄年中花を咲かせて種を飛ばすとなると、すごい量の種になりますね😲!)
3つの戦局だけ見ると、圧倒的に「在来タンポポ」不利そうです(T_T)
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ここまでで、私が気になったのは「②種の大きさ」です。
そういえば気にしたことなかったけど、本当に?!と思ったのでこれもまた調べてみました。
ただ、綿毛になるとみんなガクが反りかえるのか、「在来タンポポ」しか咲いてなかったはずの場所の綿毛も、ガクが反りかえっているではないですか!!
ガクからは「外来タンポポ」の見分けがつかないので、ここは「在来タンポポ」が咲いていた場所、という決め打ちで調査してみました。
結果はこちらです。
まずは「在来タンポポ」から。
(「在来タンポポ」の綿毛を調べた時、あろうことか定規を忘れたので、家に帰って同じ丸の長さを計りました^^;)
種の膨らみ始めの場所から考えると約4mmといったところでしょうか。
ふむふむ、なるほど。
続いて、「外来タンポポ」です。
時期によっても大きさが違う可能性があるので、12月と3月に撮影しました。
平均すると約3mmくらいでしょうか。
本当に大きさが違う!
若干ではありますが、「在来タンポポ」の方が大きく、ガタイ(?!)もしっかりして強そうです。
1mmの差とはいえ、種が風で運ばれることを考えると、そのたった1㎜の重量差は飛距離にけっこう影響しそうです🤔
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さて、話を「在来タンポポ」と「外来タンポポ」に戻しましょう。
ここまででは圧倒的に不利そうでしたが、「在来タンポポ」には強みもあるそうです。
一つは種が大きいことによるメリットです。
種が大きいということは、芽もしっかり育つということだそうです。
他の植物との生存争いに強いということですね。
もう一つは、花の咲く時期です。
「在来タンポポ」は春しか花を咲かせないので、種を飛ばしたあとの夏以降、根っこ以外の葉っぱも何もかも枯らして地中でじっとしているそうです。
この戦略によって、他の植物との競争をしなくても済むようにしているわけですね。
また色々な植物の花粉も一緒に受粉するので様々な個性の個体ができるのもメリットだと書いてありました。
なるほど、色々考えているのですね。
それに比べると「外来タンポポ」は種が小さい上、年中花を咲かせる性質があるため、常に他の植物との生存競争を強いられます。
夏には他の植物との生存競争に負けてしまうことが多いようです。
そういえば、夏はあまりタンポポを見かけません。そこには「在来タンポポ」の戦略と、「外来タンポポ」の欠点が関係していたのですね。
稲垣先生の本では、「在来タンポポ」は「多様な環境に適応するのに有利」だと書かれていました。
逆に「外来タンポポ」は他の植物の少ない場所で生きていると書かれていました。つまり人の多い、人が住みやすくなるよう環境に手をいれた入れた場所がそれに当たります。
「在来タンポポ」と「外来タンポポ」の競争は、人の手による自然の減少の影響がとても大きいのです。
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最近では、「外来タンポポ」を見かけることのなかった場所でも「外来タンポポ」を見かけることが増えてきているそうです。
それもそのはず。
「在来タンポポ」が花を咲かせて虫たちに受粉をお願いする春、その時期には当然「外来タンポポ」も咲いていて、その花粉は「在来タンポポ」のへと運ばれていってしまうこともあるのです。
こうして生まれた、「在来タンポポ」と「外来タンポポ」のハーフもまた増加しているようです。
さらに「外来タンポポ」の種の多さ。
それによって、「外来タンポポ」は自身の純粋な子孫も残しつつ、自身の遺伝子も残していっているわけです。
純粋な「在来タンポポ」は知らないうちにひっそりと姿を消してしまうかもしれません。
植物には国境はないと思いますが、本来出会うことのなかったかもしれないタンポポ同士が出会ってしまったために、片方のタンポポがなくなってしまうのはちょっと悲しい気持ちになります。
いつか冒頭で紹介した「たんぽぽ」の歌の意味が、まったくわからなくなる日も来てしまうのかもしれませんね。
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今回はいつもと違う感じでの記事となりました。
文章が多めなのでちょっと読むのが疲れるかもしれませんが、楽しんで頂けたら幸いです^^
ここ最近、普段雪の降らない地域でもたくさん雪が降ったりして大変でしたが、みなさまのところは大丈夫でしたか?
まだまだ寒い日が続きそうなので、どうか暖かくしてお過ごしくださいね^^
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
🌱タンポポコレクション🌱
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