売上が伸びなくて悩むあなたが参考にすべき、ランチェスター戦略を駆使した日本酒〔獺祭〕の成功への道
獺祭というお酒をご存知ですか?
わたし、実はお鮨が大好物でして、朝昼晩の全部の食事がお鮨でも!!!夜スーパーで半額になったお鮨を朝食べて、昼は回転ずしでお鮨を食べて、夜は接待でお鮨屋さんに連れて行って頂き、その帰りにスーパーで半額になったお鮨を買って朝食べる!っていうくらい好きです♡(笑)
お寿司を「お鮨」ってイキって言っている時点でヤバイやつですかね。。。でも、株式会社グッドクロスいわく(記事参照)、「すしといえば江戸前。鮨はお魚を使ったすしに使うんですね。だからこれは江戸前鮨。お酢で酸味をつけたり魚の傷みを遅らせる早すしといわれるものです。鮨も古くからすしの漢字として使われていました。ちなみに関西の押しずしも鯖とかあなごなど(酢でしめてあったり焼いたり煮たりであっても)魚を使っているので鮨はあてはまります。そして寿司ですが、これはおめでたい席に振舞われることも多かったすしにおめでたい漢字をあてはめたものだそうで江戸時代末期から使われ出したようです。だから寿司は鮓にも鮨にも代われるし、お魚を使っていないおすしにも使います。ちらし寿司は鮨より寿司。」らしいです。
だから、私が好きなのはちらし寿司ではなく、握り鮨なのです!!!って、どうでもいい話を・・・ごめんなさい('Д')お鮨の話がしたかったのではなく、お鮨にはやっぱり日本酒ですよね!って話です。
それで、6年~7年前に出逢った日本酒「獺祭」が今日のテーマです。日本酒酒造の会社のトップは、不動の王者 白鶴酒造。その存在を突如脅かす存在が出てきたのです。
個人的に衝撃的だったのは、旭酒造は「純米大吟醸」を大衆化した!ということです。当時、純米大吟醸は超高級なお酒。庶民が手を出すことができないお酒でした。今は獺祭に合わせた低価格な純米大吟醸も出てきたので、値崩れしてきましたが、それでも1万円を超えるお酒が多いです。現在の通販サイトでは、こんな感じです。
なぜ、そんなに高いのか!?それは、お米の粒を磨きに磨きまくって、小さくしないと、純米大吟醸の基準に到達しないからです。
50%以下つまり、半分のサイズにお米の粒をするから、原価が掛かるのです。原価が掛かれば、当然売価は高くなります。そして、使用原料は米および米こうじだけなので、よりお金が掛かっちゃいます。詳しい話は、旭酒造の会長の桜井さんの書籍をご一読ください。かなり昔に出版されたものですが、この書籍が一番、旭酒造の書籍関連では面白いです。純米大吟醸を大衆化できた理由は、この書籍の中に書いてあります。本題とどんどんズレそうなので、今回は、純米大吟醸の価格破壊の件は明確に記載しませんのであしからず。
今回のメインテーマは、低迷し続ける日本酒産業の中で、なぜ、獺祭だけが飛躍的に躍進できたのか?ということです。何か恵まれることがあったのでしょうか!?超大金持ちの資産家の資本が入ったのでしょうか!?どちらも違います。その真逆で、潰れかけの小さな山口県の酒造でした。しかも、日本酒製造において、絶対に必要な杜氏(とうじ/日本酒の醸造工程を行う職人集団、すなわち蔵人の監督者であり、なおかつ酒蔵の最高製造責任者)に逃げられる…という悲惨な状況。
それが、なぜ、ここまで売上をグイグイ続伸させて行くことができたのでしょうか?様々な理由はあるかもしれませんが、お客様のココロをグッと惹きつけて、鷲掴みにする戦略フォーマット〔ランチェスター戦略〕で今回も解説します!
旭酒造は売上規模が2番手以降の会社。2番手以降の会社が取るべき、ランチェスター戦略は?そうです!差別化戦略ですね!差別化戦略は5つの戦術がありました。何でしょうか?ちなみに、1番手の戦略および5つの戦術も復習しましょう。
簡単な話は、旭酒造の製造する日本酒獺祭は、局地戦・陽動戦・一点集中主義・接近戦・一騎打ち戦で戦すべてを使い切って戦ったからこそ、売上をグングン伸ばしたのです。差別化戦略において、この5つ全てを使い切ることが非常に重要です!!!
では、具体的にどのようなことを行ったのでしょうか?それは・・・?
局地戦とは、限定した場所で戦うことです。山口県の会社でしたが、獺祭の拡販において、東京に限定した営業活動を積極的に行いました!さらに、代理店営業ではなく、お客様(酒屋)との距離を縮めるために接近戦の戦いである直販で営業を行いました。さらに、さらに、一つに絞り切る戦いである一点集中主義では、「獺祭」というブランドのみの展開かつ、純米大吟醸しか作らないというところまで振り切りました。
そして、特に個人的に凄いと感じたのは、杜氏がいなくなったので、杜氏なしで数値化して純米大吟醸の獺祭を作ろう!となったことです。陽動戦とは、競合他社を含めて、やりたくないことを積極的に実施して具現化することです。これは、今までの日本酒産業の在り方を大きく変えるイノベーション的な発想でした。杜氏がいなければ日本酒は絶対に作れない!と思っていた産業に風穴をあけたのです!さらに、日本酒製造の全てを数値化したので、日本酒は冬の時期の一年に一回しか作れないもの!という既成概念を壊しました。1年間に4回作っちゃおう!となったのです。
戦略フォーマットの最後のひとつは、一騎打ち戦。一騎打ち戦は戦う敵を決めること!または、戦わない敵を決めることです。旭酒造の当時の戦略を見ると、意識的にか、無意識的になのか分かりませんが、白鶴酒造とは真逆の戦略をとっていたため、ここに強引に当てはめちゃいましたwww※一騎打ち戦だけは直接その会社に聞かないと分からないので、本当はどうなのかは分からないです。
このように、ランチェスター戦略の差別化戦略を使い切って、成長を遂げたのです。ただし、直近の展開を見ると、一番手でないのに、積極的に海外進出を狙っており、2017年12月 ニューヨークに酒蔵建設を発表。さらに、旭酒造は、ジョエル・ロブション氏とタッグを組み、パリ8区に「Dassaï Joël Robuchon(獺祭・ジョエル・ロブション)」を2018年4月にオープン。
一番手は広域戦の戦いであるため、アメリカやヨーロッパに国外にエリアを拡大する戦略は有りですが、2番手にとっては、ランチェスター戦略上はダメな戦略です。以前のnoteの記事に書きましたが、経営者が変わった瞬間に間違った道に行くパターン。先代も、俺は間違っていると思うがお前が社長なのだからとにかくやってみろ!的な発想が会社を蝕みます…
2016年9月に代表取締役が息子の桜井一宏氏に変わった後の流れなので、そんな気がします。先代の時代は売上続伸していたのに、去年は売上は減少。早くもその流れが出てそうな気がします(>_<)2番手以降なのに、一番手の戦略を選択して、ダメになった会社は本当に沢山あります・・・
個人的には国内の獺祭ブランドは以前ほど、人気がないような気がします。爆発的な人気が起こった時は、買いたくても購入できず、高値で売買されました。その時の新聞広告が、素敵すぎます。高く買わないで!と言い切る。純米大吟醸の大衆化を目指すなら、必要不可欠な情報発信です。
直営店はお洒落で好きです。こういうお店が、東京23区のお洒落な街に増えるとか、海外の新店舗より、国内の店舗を増やすとか。
超高級価格帯のブランディングを強化するとか。
売上上位に組み込むために、まだまだランチェスター戦略の差別化戦略で実施すべきことは沢山あるのに勿体ない!とここ最近の旭酒造を見ていて残念に感じます。カッコよく海外展開で売上を伸ばせばいいのですが、ライザップのように、広げすぎると上手く機能しなくなります。業種を広げるだけではなく、展開するエリアを広げることも、2番手以降は大きなリスクになります。
それは、資金的な話はもちろん、人材的にもそう言えます。1番店の方が、優秀な方々はそろいやすいです。または、同じ優秀な社員の割合でも、一番手の方が社員人数が基本的に多いので、優秀な社員の人数(分母)は多くなります。そのため、業種やエリアを広げても、上手くいく確率は高くなるのです。
獺祭よ!嗚呼、獺祭よ!原点回帰を望みます!好きなブランドなだけに、朽ちていくのが勿体ないです。って、まだ全然朽ちてないし!って話ですね。あくまで、ランチェスター戦略から見たダメになる企業の統計からの話です。未来予測なので、当たらないことを願っております!!!
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