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ドイツ激安スーパーが目指す、食のサステナビリティの新標準

円安物価高の今日この頃、欧米での外食や暮らしはなかなか辛い…そんな時に節約生活の強い味方になるのが、ドイツ系のスーパーマーケット「Lidl (リドル)」

私もフィンランドに住んでいた学生時代、この黄色い看板によくお世話になっていました。ヨーロッパを中心として世界中に約8,000店舗を展開する、世界版業務用スーパーのような感じです。

Lidlといえば、このイエローの看板!

そんな激安スーパーの代名詞とも言える、Lidlがよりサステナブルでヘルシーな食へのシフトを進めています。同社が注目しているのが、タンパク質のシフト。牛肉をはじめとした動物性タンパク質は、森林伐採やゲップなどのメタン排出のため、環境負荷が高いことで知られています。実際に、植物ベースのプロテインの販売が2022年には15%まで上昇。これは、英国の小売業者Tesco(日本でいうイオンかな?)と比較しても高い数値になっています。

Lidlが公開している販売しているタンパク質の割合(重量ベース)

でも〜、プラントベースとかビーガンってお高いんでしょう…?
日本だと、青山のオーガニックスーパーや成城石井で環境意識の高いマダムが買っているイメージで、環境にやさしい商品を買いたいけど日々買うには高い…となってしまいがち。

そこで、同社はなんと、ヴィーガンやベジタリアン製品をLidlで購入したいお客様をサポートするために、プライベートブランドの「Vemondo」の販売を開始。しかも、2023年にはVemondoの価格を、動物ベースの製品と同程度にすると発表!このニュースはヨーロッパの小売業界に衝撃を与え、ドイツ国内外の多数のスーパーマーケットが追随。Lidlドイツの発表以来、Kaufland、Aldi Süd、Penny、BILLAなど同業他社が、さまざまな価格均等化イニシアチブを発表しています。やるじゃんLidl。

さらに同社は、2025年末までに、2020年の基準から、自社ブランドのミートフリーおよびミルク代替品範囲の売上を400%増加することを目標に掲げています。ヨーロッパに住んでいると周りに、ビーガンやベジタリアンの人は所得にかかわらずとても多いと感じます。環境政党が強い国も多い欧州では、しっかりと売上にも繋がっていきそうです。

日本企業においては、依然としてサステナビリティへの対応は株主や政府に求められる最低ラインをクリアするための「コスト」であり、利益貢献にはつながらないものとして、捉えられがちです。しかし、Z世代をはじめとして環境への意識も高まる中、エコで儲かるスーパーが近い将来日本にも誕生するかも?

参考URL

LidlのCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー)へのインタビュー動画

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