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サーキュラーエコノミーと脱成長の違いとは?大量消費のジレンマを考える。

循環型経済(サーキュラーエコノミー)と脱成長(デ・グロース)の違いは何でしょうか?どちらも、循環型、再生型であることから、持続可能な社会経済モデルを構築すると主張していますが、実は両者のアプローチは異なります。アムステルダム大学のFederico Savini准教授によると、サーキュラーエコノミーは成長主導型、一方は脱成長は生産と消費を組織する社会経済システムを明確にターゲットにしています。

両者とも廃棄物に着目し、それがいかに悪いものか、そして原材料の摂取量を減らすために廃棄物を再利用することがいかに重要であるかを説いています。しかし、その方法については、2つの全く異なるストーリーがあります。


主な両者の違いとして

Federico Savini, Futures of the social metabolism: Degrowth, circular economy and the value of waste, Futures, Volume 150, 2023, 103180,(筆者和訳)
  1. 主流の循環型経済は、経済成長を追求し、消費主義をほとんど問わない。

  2. 循環型脱成長経済とは、廃棄物の削減した上で、再利用を実現する経済である。

  3. 循環型脱成長は、グリーン消費主義への個人主義的なアプローチを否定する。

  4. バイオリージョナリズム*は、廃棄物の規模を縮小することを可能にする。

  5. 廃棄物を削減するためには、社会生態学的価値を高める必要がある。

*バイオリージョナリズム(生命地域主義)
ある地域に存在する自然資源や、文化、歴史、技術などの人的資源を組み合わせ、地域の循環型社会システムを つくることで、 地域独自の価値をつくり上げていくという考え。

実際には、地域の経済社会的な状況、また都市部・地方などのエリアによって、両者のバランスが変わってくるでしょう。


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