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「初恋のりんご」嬉野さんの言葉の切れはし#309

やさしく白き 手をのべて
林檎を われに あたえしは
うすくれないの秋の実に
人 恋初めし はじめなり

好いですねぇ古い日本の言葉は。
情感があります。
--嬉野雅道

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古い友人から会社にりんごが届きました。
紅くて美味そうなりんごです。
なんとも好い色なんですよ、
このりんごがね。
むかし、国語の教科書に島崎藤村の詩で、
りんごが出てくる詩がありましたよねぇ、
まだあげ初めし前髪の とかいうやつ。
「初恋」だったでしょうか?
あの詩にね、
少女がりんごの実をくれるところがありますね、
少女の白い手に、うす紅いりんごの実が、
なんとも可憐に見えて、
いや、見てないのに、見たような記憶が勝手にあってね、
その見てないのに見た気でいる少女の手をね、
この美味そうに紅いりんごの色を見て思い出したのです。

やさしく白き 手をのべて
林檎を われに あたえしは
うすくれないの秋の実に
人 恋初めし はじめなり

好いですねぇ古い日本の言葉は。
情感があります。
まぁ、そういうことは私に言われる筋合いもないでしょうが。
--嬉野雅道(水曜どうでしょうディレクター)