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「草木との目くばせ」嬉野さんの言葉の切れはし#59

草木は、目などはないけれどきっと見ている。
耳などはないけれどきっと聞いている。
そんなことが不思議なことには思えず、なんだやっぱりそうだったんだなと、自然に受け入れられてしまう。
そんなことがうれしいこの頃です。
--嬉野雅道

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この頃ぼくは、通りの草花に自然と目がいくようになりました。

あるお宅の低い塀を越えて通りに枝を伸ばす潅木の庭木が、その枝にたっぷりの黄色い花をつけ風に吹かれて大きく揺れていました。
まるで草木に宿る素朴な魂がぼくを見て塀越しに手招きをしてくれてでもいるかのように、おいでよ、おいでよと、呼びかけてくれているように見えてなりません。
ぼくは呼ばれるまま、思わず花をいっぱいにつけて風にゆらゆらと揺れる一筋の枝に手を差し伸ばしました。
草木は、目などはないけれどきっと見ている。
耳などはないけれどきっと聞いている。
そんなことが不思議なことには思えず、なんだやっぱりそうだったんだなと、自然に受け入れられてしまう。
そんなことがうれしいこの頃です。
--嬉野雅道

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