まいどバカバカしいショートショート vol.4

答えない病気

「……でわしは一体なんの病気なんや?」
「…………」
医者は黙って首を横に振る
「そ…そない悪いんかいな」 
「…………」
わしはかすれた声でさらに問いただすんやけど、医者はなぁんも答えてくれへん。
痺れを切らしたわしは隣にあった看護婦さんに尋ねたんや。
「看護婦さん。わしはなんの病気やねん。ま…まさかガンか!?そうなんか?そうなんやろ!?それでガンがもうえげつないくらい進行しとって余命半年とかそんなんになってもうてるんやろ?」
看護婦はニコリと笑ってこう言ってきたんや。
「ワシさん落ち着いてください。大丈夫ですから。上気道が炎症をおこして喉が腫れただけですから。ただの風邪ですよ」

「せ…せやったらなんで医者はなんでなんもしゃべってくれへんのや?」
「…それは」
「ゴクリ……それは?」
「扁桃腺って言うじゃないですか」

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