そもそも終活って何?
2012年の新語・流行語大賞でトップテンに選出された「終活(しゅうかつ)」という言葉も今ではすっかり耳馴染になってきたのではないでしょうか?一方で、具体的に終活って何をすればいいかわからない、いつから始めればいいかわからない、このような質問を受けることもあります。
そもそも終活とは何をする事なのでしょうか?
この点についてみていきますね。
終活とは「次を考える」こと
終活という言葉は、法律用語ではありませんのでインターネット上で検索をしてみます。すると、Wikipediaにはこんな説明が出てきました。
終活の範囲は広いので漠然とした印象を持つかもしれませんね。終活という言葉の定義は、これが正解というものはありません。様々な団体によっても定義がなされ、様々な解釈がありますよね。定義づけをすることはある意味大事なことですが、言葉遊びになる必要はないかなと思います。
大切なのは、そもそも何のために、どんな思いで終活をするのかという視点ではないでしょうか。
私なりに終活を定義すると、「次を考えておく」ことになります。人生の最終地点は死ですが、残されるものにとってはそこも線でつながっています。想いは遺すことができますからね。
だからこそ、終活をきっかけにしてその人の想いを伝えるお手伝いができればいいかなと思っています。
私が終活を支援するに至る自己紹介記事はコチラから
ただ、時間という有限資産を使い切る為には、自分の人生の主導権は自分が握らないといけません。他人が用意したストーリーに乗っかっている場合ではありません。次を見据えて人生の舵を切る、その一歩を踏み出すきっかけが終活だと考えます。
終活は、「周囲や家族の負担が減るように次を考えて伝えておく事」でもあり、「次はどこに向かうのかを決めるもの」です。
自分がどうしたいのかという意思を明確にしておきましょう。そのためには、自分を知る必要があります。
第二の人生、何をしたいかわからない
ご相談者のお父様が亡くなられて相続の相談をしていた時の話です。ご相談者は、まだ50代でこれから第二の人生を見据えていこうという時でした。
ただ、ご相談者はこれからやりたいことが見つからない、どう過ごしていいかわからないと仰るんですね。今の会社をしっかりと務められてきたからでしょうか、燃え尽き症候群とでもいうのでしょうか。ご相談を受けているとこういった質問や身の上話が結構多いです。
終活は、死をイメージしてしまいがちですが、あくまできっかけのひとつであり、これからの人生をどう生きていくのかという指針を定めたり、本当に大切なものを見極めることなのかなと感じます。
ご相談者の方は、長い会社務めからか、自分が本当にやりたかったことを見失っているようにも感じました。そこで、私はこのような質問をしてみました。何を質問したのか言うと、それは、「幼少期の頃から現在に至るまでに好きだったこと」です。
理由は、その人の好きなことを深掘りしていくと、その人の魅力が見えてくるからです。
・英語を話すが好きで、海外に行って暮らすのが夢だった。
・釣りが好きで、船舶免許を取って海釣りを楽しみたい。
・子どもが好きだから、ボーイスカウトのリーダーをやってみたかった。
話しをしているうちにこんがらがった糸がほぐれるように、ご相談者にも笑顔が出てきました。「素敵な夢がたくさんおありじゃないですか、それ全部やってみましょうよ。」と私。
思わず席から立ち上がって、ご相談者と握手してしまいました(笑)
終活という言葉自体は浸透してきたかもしれません。でも、「終わりための活動」をしたいと思うでしょうか。私はこの言葉があまり好きではありません。「死に方は生き方の問題」だからこそ、私にとっての終活とは、「次を考える事」だと考えています。
終活という言葉を無理に使う必要も、無理に当てはめる必要もないかなと。
この相談者の方も、終活をしたからと言って死期が近いわけでもありません。むしろ、人生の折り返し、第二の人生が始まろうとしているときです。
終活で人生を振り返ったり、人生プランを立てたり、不要品を断捨離したり、財産の整理をしてみたりと、定期的に終活していくことで自分の価値観や本当に大事にしているコトやモノを思い出すきっかけになればいいですね。
ただひとつ、注意してほしいことがあります。
おひとりさまに終活は必要
おひとりさまには終活が必要です。理由はいたって単純明快。おひとりさまだからです。誰かが死後の問題への対処をしなければいけません。
核家族化や配偶者との死別をきっかけで一人世帯が増えている昨今ですが、全く身寄りがないという方は希で、誰かしら親族はいるものです。
ただ、家族は疎遠で頼れない、子供がおらず自分の死後の問題を対処してくれる人がいないという方が増えているのも確かです。終活が必要だと感じているおひとりさまの方はもちろん、今はまだおひとりさまではない方も気づきを得られる、そんな記事を書いてみました。
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