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♡今日のひと言♡~川端康成から梶井基次郎に向けて
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その時のことが、著者の手記にのこされています。
梶井君は大晦日の日から湯ヶ島に来てゐる。「伊豆の踊子」の校正ではずいぶん厄介を掛けた。「十六歳の日記」を入れることが出来たのは梶井君のお蔭である。私自身が忘れてゐた作を梶井君が思ひ出させてくれた。(中略)梶井君は底知れない程人のいい親切さと、懐しく深い人柄を持つてゐる。植物や動物の頓狂な話を私によく同君と取り交した。
・・・梶井君の細かい注意にも、私はどうでもいいと答えた。しかし、私がそう答えたのは、校正ということを離れて、自分の作品が裸にされた恥しさの為であった。彼は私の作品の字の間違いを校正したのでなく、作者の心の隙を校正したのであった。そういう感じが自然と私に来た。彼は静かに、注意深く、楽しげに、校正に没頭してくれたようであった。温い親切である。しかも作品の誤魔化しはすっかり掴んでしまった。彼はそういう男である。
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川端康成(1899-1972 大阪・小説家)
幼くして孤児となり、叔父のもとで育った。大学在学時の1921年にデビュー、菊池寛の知遇を得て「文藝春秋」同人となった。卒業後、横光利一ら当時の新進作家たちとともに「文芸時代」を創刊し,新感覚派の運動を始めた。初期の代表作は「伊豆の踊子」(1926)。
第二次世界大戦後の作品では、精緻な詩的表現によって東洋的人工美の世界を築いた。1968年ノーベル文学賞受賞。1972年に自殺した。他にも「禽獣」(1933)、「雪国」(1948)など多くの名作を残した。
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