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スタンダールの入口「恋愛論」


1822年に発刊された「恋愛論」は、スタンダールが一人のイタリア女性への激しい片想いに悩んでいた時に書かれたものでした。

また、彼は生涯、この作品に何度も書き直しを加え続けたといいます。この著書に対する思い入れは相当強いものだったのでしょう。

作品の中で述べられている「恋愛の七段階」や「恋愛の四つのタイプ」などはよく知られています。また、「ただの塩がダイヤモンドに見えてしまう」(要は、あばたもえくぼ)等の「結晶作用」への言及も有名です。

たいへん長い(600ページ超)うえに、体系立った論というよりも恋愛に関する雑感集のようなものであるため、読破を目指して最初からつぶさに読むというより、気ままに拾い読むのが良いかも知れません。

余談になりますが、「運命の恋をかなえるスタンダール」(水野敬也著)という軽いタッチの小説があります。
自分に自信を持てない一人の女性が、突然現れたスタンダールの恋愛論的アドバイスによって魅力的な女性へと成長していくコメディです。
この書でも、スタンダールの名言に多く触れることができ、お勧めです。

スタンダール(1783- 1842~フランス・小説家、ジャーナリスト)
「赤と黒」「パルムの僧院」などで知られる。元々は軍人として活躍した人物であったが、ナポレオンの没落からフリー・ジャーナリストに転向。その後、数多くの作品を発表した。