2020年7月の備忘録、読んだ本など

部屋のエアコンがぶっ壊れました。正確には、自分ときょうだいの部屋のエアコンが繋がってる室外機が壊れたので、総取っ替えすることになりました。業者の人が立ち入るといるということで、床に積み上がった本などをわーっと片付けて売ったり処分したり、階段にひとまず置いたり、兄の部屋に置いていた本や同人誌をわーっと片付けたり処分したり売ったり途方に暮れたりしていました。本当にどうしよう。読書家の友人たちはもう2年以上前から本の電子化に手を出していて、かなり便利だと言うので(PDFだからマーカーも引けるし検索もできる)、いっそのこと自分もやったろうかなという感じです。床の広さを知ってしまった/再確認してしまったので……。

エアコンが壊れた直後はなんだか涼しい日々が続いていたけれど、7月下旬から蒸し暑い日が続くようになってきてかなりきついです。水で湿らせる首用バンド(ハイキングとかに使うやつ)を首に巻いて扇風機がんがんにまわして暑さを誤魔化してます。(8月21日現在、エアコンの交換が完了し、完全に依存しています……)

以下、読んだ本など


読んだ本


スティーブ・ハミルトン『解錠師』(訳・越前敏弥)
読書会用に読んだ。天才的解錠技術を持つ言葉を失った少年の、青春犯罪小説。つらめのミステリーなのかと思っていたら、確かにつらくはあるものの、ボーイ・ミーツ・ガールなラブストーリーだったりもして意外だった。
主人公・マイクルはとある出来事から一切声を発さなくなるのだけれど、声を発さない=会話が成立しないことによって、マイクに関わった人物が勝手にマイクに何かを見出したり投影したりして、マイクが内心「違うんだけどな」と思いつつも特に反論しないため勝手に話を進めていく感じとかがなんだか面白かった。
金庫を解錠するシーンの上手さや、魚関連のモチーフなども良かった。
エドガー・ライトの『ベイビー・ドライバー』とかなり共通してる点があるのだけれど、エドガー・ライトは本作を参考にしたりしたんだろうか。


藤井聡子『どこにでもあるどこかになる前に。〜富山見聞逡巡記〜』
東京から故郷・富山にUターンした著者によるエッセイ。均質化していく富山の町で残るものと残らないもの、そこで見つけたものに関わっていくことや逡巡が記録されている。どんどん人と関わり、コミュニティに入っていく筆者の姿を見ていくうちに「でも、こうやって故郷に帰っても藤井さんのようになれる人はそうそういないだろな……」とじゃっかん斜に構えた気持ちになってしまったりもしたのですが、そういった部分に関しては長めのエピローグで回答が出ているので、それも含めて良かった。これは書かれるべくして書かれた本だなと思った。
あと、装丁も良いです。カバーだけでなく、曇天のように灰色な紙とか。

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大橋崇行/ 山中智省(著・編集)『小説の生存戦略 ライトノベル・メディア・ジェンダー』
ライトノベルをメインに据えた研究書……だとは思うのですが、興味深い論はいくつかあるものの、紙幅の関係かちょっと粗があったり論があまり整理されていない感じが目立っているような……。現在のライトノベル読者層の話や、学校図書館でのボードゲームとTRPGの流行などは初めて知る話なので興味深かった。もう少しガッツリしたものを読んでみたかったです……。


ニコルソン・ベイカー『もしもし』(訳・岸本佐知子)
男女ふたりの、ある一晩のテレフォンセックスの様子を描いた小説。ほとんど地の文がない全編会話劇で、互いの性にまつわるエピソードをこれでもかととにかく喋りまくる。『中二階』のときも思ったけれど、よくもまあこんなにいろんなことを思いついて書き連ねていけるよなあと感心すると同時に、ここまで箸休め的な箇所がなく”場が持つ”と窮屈に感じてしまうよなとも(どちらにせよ凄い)。


『ブックオフ大学ぶらぶら学部』
個人個人のブックオフに対するさまざまな感情が入り交じった文章が楽しめる良書。上で書いたように、エアコンがぶっ壊れて自室の本の整理をしている最中に読んだのもあってか、なかなかしみるものがありました。Zという方が書いたブックオフとせどらーの攻防史『ブックオフとせどらーはいかにして共倒れしたか ~せどらー視点から見るブックオフ・クロニクル』は必読です。



……という感じでした。ゲームはラスアス2とFF7Rをクリアしました。両方ともハイカロリー。

8月の上旬にあげようと思って少し放置してたら8月末になっていたので、ちょこちょこやっていったほうがいいなと思いました。本の中身もちょっとずつ忘れていってしまうし……。

7月はだいたいそんな感じでした。


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