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プロジェクトマネジメントスペシャリスト(PMS) 合格体験記

こんにちは、かみちゃんです。
先日、プロジェクトマネジメントスペシャリスト資格(通称PMS)を受験し、合格することが出来ました。
これまで書いてきたワークショップデザイナーとしての実践や探究、とは少し違うテーマになりますが、プロジェクトマネージャー略してプロマネ(PM)を目指す方の参考になればと思い、その内容や勉強方法についてお伝えしたいと思います。

※ワークショップデザイン関連の記事は↓から

なんで受けたの?

今期からの自社の戦略・方針において、これまで以上にPM人材の育成と輩出に力を入れることになり、その任を私が担うこととなりました。
これまで積んできた実戦経験の数々(規模や難易度)については、自分のことながら一定の自信を持っていました。が、いざPM人材像を定義する事や育成手法を考えようとなった途端に、自分の中にある知識や経験値が本当に正しいものなのか?正しいかもしらんが人に説明できるのか?いやできないよな、という事に気づき心許なく感じたのです。

もちろんPMについて私以上に専門性を持っている人が社内に、或いは社外(懇意にしているパートナーさん)にいるので、その人たちの力を借りれば良いっちゃ良いのですが、指揮を執る自分がそんな過去のKKD(勘・経験・度胸)に頼ってるんでは恥ずかしいなと思い「よし、改めて勉強してプロジェクトマネジメントに関する資格を取ろう」と決意したのでした。それが4月初めのことでした。

なぜPMS(プロジェクトマネジメントスペシャリスト)資格にしたの?

さて、せっかく資格を取る&試験を受けるからには、初中級くらいだと面白くないので、一定レベル以上の資格にはしたいなと考えて、いくつかの資格の比較検討を始めました。

PMP(R)

まず、プロジェクトマネジメントの大家的な資格、PMP(R)(プロジェクトマネジメントプロフェッショナルの略)を検討しました。
プロジェクトマネジメント知識体系の国際標準であるPMBOK(ピンボックと読む)と聞くとピンと来る方も多いと思います。そのPMBOKをベースにしたプロジェクトマネジメントの理解と実践をベースにした資格がPMP(R)になります。※PMI(Project Management Institute)という国際団体が認定
王道中の王道なのですが、受験資格が厳しめのため時間が結構掛かる事が分かりました。(費用もややお高め)
■受験資格(抜粋)
・大卒の場合、36か月及び4500時間以上のプロジェクトマネジメント実務経験
・35時間以上の特定の教育を受けること(指定の講座を受講)
こちらに概要
・費用は不正確ですが、合格された方のブログ等見ていると、受験料以外にも資料代や上記受講代等で10万円程度はかかる模様です。

お金も気になりましたが、時間が掛かりそうな所がネックだなーと感じて保留して次を検討することに。

PMS資格

PMS(プロジェクトマネジメントスペシャリスト)資格は日本プロジェクトマネジメント協会が認定しているものです。
PMP(R)がPMBOKという知識体系をベースにしていることに対して、PMS資格はP2M(プログラム&プロジェクトマネジメント)という知識体系がベースになっています。
特徴やPMP(R)との比較はこちらのサイトに詳しいですが、プロジェクトの上位に位置するプログラム(事業やサービスに相当するもの)までを扱っているのが特色かと思います。
調べるとなんと受験資格が基本無し(下位資格のPMCにはあるのに!?)、レベル感もITSSレベル4(IPAの定めるIT人材のレベル)とそれなりに高い、費用はP2Mガイドブック費用+受験料で約4万5千円くらい。しかもCBT方式で比較的すぐ受けられそう!
ということで、PMS資格に決めました。

どんな風に勉強したの?

なんと、公式問題集が無いんですよね。。。
ということで、ガイドブックを読み込んで勉強するしかないなということで、こちらを購入。

しかし、この公式ガイドブックの分厚いこと~。ドンッ。

「世界標準の経営理論」の2/3くらいでした

700ページ以上。。。
しかし試験日を6月の頭と先に決めたのでもう後には引けません。。
勉強期間は約2か月。
まずは、一回本を読み通すぞということで読み進めました。

さぞ読みにくいんだろうな、、、という想像を良い意味で裏切る内容で読みやすかったのが救いでした。
先ほど、プログラムという事業・サービスに相当するものを扱っているのが特色だと書きましたが、簡単に言うと企業のミッションや経営戦略をいかにプログラムという形で実行するのかマネジメントするのかという話から始まり、それを更に有期的に実行する単位としてプロジェクトを学ぶ、という流れなので、経営やマネジメント志す人にはとても親しみやすいし興味を持って読める内容になっていると思います。
で、経営戦略本で慣れ親しんだ言葉やフレームワーク、考え方が出てくるのですよね。過去に読んだ事のあるそれらの本のおさらいをしているかのような感覚も持ちます。
例えば、企業の競争優位を築く理論としてポーターの戦略論(差別化、コストリーダーシップ、集中戦略)が出てきたり、対してリソースドベースドビュー(RSV)の解説が出てきたり。
もちろん、そういったおさらいだけではなく、改めてプロジェクトにおけるクリティカルパスのマネジメントの手法やコスト見積りの考え方、プロジェクトに対する投資評価の方法など、なんとなく知った風にしていたが重要な専門的な学びも多いです(このあたりは他のPM系資格でも共通している模様です)。

ということで楽しみながら、しかし読みたくない時もあるのでそんなに楽ではないのですが、1か月ちょっとで一週目を終了。
で、残り3週間くらいとなったところから2週目を開始。2週目は大事そうな所をしっかり覚えるためにノートを取りながら読み進めました。
出題範囲と章ごとの出題頻度(%)が公式サイトに載っているので、ウェイトが多いところ、苦手なところ(先ほど挙げたプロジェクトマネジメントの専門的な手法の部分、計算問題など)を重点的に読みつつ書いて覚えるようにしました。

そんなこんなで試験前日の土曜も飲酒を控え、必死に詰め込んで当日を迎えました。

試験当日と合格発表

CBT形式なので、指定の会場へ行きまして、各々割り当てられたパソコンでもくもくと解きます。
制限時間150分間で100問。設問は4択式。記述はありません。70%程度以上で合格です。120分くらいで見直しも完了したので終了のボタンをクリック。
ということで、結果は・・・

人材能力基盤が低いのは悔しかった

合格!84%なので少し余裕がありました。
嬉しいのもありましたが、ホッとしたのが正直なところです。
ということで約2か月のお勉強と試験が終わりました。

まとめ

今回の経験を通して、いくつか感じたことを最後に書きます。
・P2M(PMS資格)おススメです!
 PMの資格の範疇を超えた幅広なビジネススキル・知識が求められるので特にPMに留まらず経営やマネジメント、大きなビジネスを手掛けたい、という方にはとても有益なガイドブック・知識体系だと感じました。

・ベテランにこそ資格取得はおススメです!
 改めて体系的な知識を学んだことで、自分の経験と結びついてこれまでの理解とか認識が新たに意味付けされる感覚がありました。「ああ、これはこういう事だったのか。」や「この知識を持っておけばここを解決できるんだな」という今まで持っていた武器がアップデートされていく感覚がありました。

空前の学び直し、リスキリングブームを感じる昨今ですが、全く新しい職種に変わることだけがリスキリングではないと個人的に思っています。
自分が進んできた道を更にバージョンアップ、アップデートしていく学び直しの仕方もあると感じました。

PMを目指す方もそうでなく学び直しを考える方も参考になれば幸いです!




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