見出し画像

根室本線を巡る旅 Ⅳ

❍塘路での食事について

夜と昼はほとんど塘路駅すぐ近くにある『Prezzemolo 』でパスタを食べた。

やっぱりなんにもない!(笑)
左側の……

おしゃれな雰囲気。

宿以外のスポットを何処も抑えておらず、どこに行けば楽しいのか見つけられていない私にとって、ここは落ち着ける場所だった。
店はパスタ中心のレストランで、珍しいのは麺を太めか細めを選ぶことができる。
私は太めのアラビアータがとっても大好きだった。グーグルレビューにもある通り、めちゃくちゃ美味い。
また食べに行きたい。


宿は朝食のみのプランだった。

湿原を望むことができる大きな窓に陽が差し込むあたたかい空間の中で、ペンションに泊まっている客みんなで朝食を食べる。
今日はどこの展望台に行くとか、さっきカヌーをしてきて最高だったとか、そんな話をしている中、きょうも私はやることがなく、他人事のように愛想笑いをする。

そうすると宿の方が
『今日はどうするの?』と言う
『何も決めてないです』
(いい加減決めろ笑)
『じゃあ連れてってもらいましょう』

そんなこんなで、この日は同じペンションに泊まっていた同世代のメンズ二人に同乗する事となった。

❍男二人旅に便乗

メンズ二人は関東から来たらしかった。
「いや〜、ずっと男二人だったんで」
(助かったな、おかげ様で今日はなんとかなりそうだよ…)
それではどこに行こうかと、車内は観光らしい雰囲気になった。

音楽かけていいですか?
渾身の一曲。
スピッツのロビンソンが流れる。


細岡展望台、釧路湿原展望台、最後に寿司なごやか亭に行く。
細岡展望台はかなり好きで、以後この辺りを通ったら必ず行くようになった。アマゾンみたいなスケールが大好きだ。

彼らは今日東京に帰るということで、釧路駅に送り届けてもらった。
釧網本線に乗って塘路に帰る。
いわゆるノロッコ号というやつだった。
車内はほとんどが中国からの団体旅行客らしく、再び疎外感を味わう。
やっぱり旅行は誰かと来るべきだなぁと思う。お二人との旅路はなかなか楽しかった。

宿に戻り、提案をありがとうと伝える。
一番のお勧めは、ここに来たらカヌーに乗ったほうが良いとのことだった。

少し高いし、正直カヌーはそんなに興味もなかった。でも、やることが無いのは辛いし、確かになかなかない機会だったので翌朝はカヌーに乗ってみることにした。

❍人生変えられたやもしれぬ体験

カヌーのスタート地点、塘路湖。
橋をくぐり、アレキナイ川から塘路ジャングルクルーズは始まる。

私は森の動物たちに見られていた。

あぁ…自分は今までは釧路湿原の外側をぐるぐるしてただけだったんだと気付かされる。

どんなに豊かな自然でも案内人がいなければ、その半分も体感することはできないのだと思う。釧路湿原のような荘厳な大自然というフィールドこそ、ガイドと言う水先案内人が必要だと痛感した。
カヌーに乗らなければ私はずっと国道をチャリで走ってるだけだったのだ。

以降、北海道でなくても自然の豊かなところに来た時は、必ず自然のアクティビティを旅程に盛り込むようになった。

カヌーの後はガイドさんのはからいでガイドさんおすすめスポット(オジロワシのコロニー?)をまわったあとに、その後の目的地だった釧路市博物館に運んでもらう。

博物館でできるだけ時間を潰した。

バスで釧路駅周辺に戻り、イズミヤのスパカツを食べる。

帰りの釧路駅から釧路空港までのバス。
振り返ると、道東のひとり旅は自分にはハードで無謀だった。
音別駅で駅員さんと話したこと、人がいなすぎて怖くなったこと、ヒグマを恐れながらサルボ展望台に行ったこと、自転車で塘路をウロウロしたこと、そしてカヌーに乗って湿原の中を進んだ時の景色…。
旅で経験した事が頭をよぎる。

橋を渡った時、「やっと帰れる」と思ったら、泣きそうになった。

でも、確実にみたい景色がそこにはあって。

飛行機の窓から夕焼けに染まる釧路湿原が見えて、それがとても美しかった。

以降、私にとって「釧路」はアナザースカイになった。

住んでみて思うのは、これめちゃくちゃ天気に恵まれている……天気良すぎるでしょう…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?