北村薫「鷺と雪」読了後、クライスラーの愛の悲しみが聴こえる
小春日和だね。などと嬉しがっていたのが懐かしくなりますね。いまは寒いといっても冬のそれとはまったく異なる季節です。
なので私は冬を追悼するようにこの「鷺と雪」を手にとりました。
ところで皆さんはもう読みましたか。実はこのシリーズにはいくつか車が登場します。そしてなにより前半に出てくる車こそ、クライスラーなのです。
ここで話を内容へと転じます。ネタバレなにることを恐れて詳細は省きます。ある車のドアは偶然にも開いていました。ふと、浮かび上がったある想い。そして男は乗りこむ。
まったく芸が細かいなあ。これがトヨタだったらこんなふうにならない。愛の悲しみなどの有名な曲をのこしたクライスラーとおなじ名前の車だからこそ感動もひとしおなのです。
このエピソードのテーマは、まさしく愛の悲しみだったのですから。
本を閉じる。珈琲のはいったカップをすすりその苦味を噛みしめる。
本格ミステリー。面白かったです。これからはエンタメ畑にも足を踏み入れようと思います。
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