カンヌライオンズ2022 速報 - フィルムクラフト、エンターテインメント部門
2022年6月20日~24日に渡り開催されているカンヌライオンズ2022。1日毎に複数の部門の受賞者が発表されていきます。本記事シリーズでは、カンヌライオンズ2022のグランプリ受賞作品を発表翌日に速報的にご紹介していきます。
6月21日、22日、23日、24日、27日の5日間の22時から、TwitterのSpacesにてグランプリ受賞作品についてディスカッションを実施していますので是非聴きに来てみてください。
https://twitter.com/i/spaces/1jMJgeXllqXKL
カンヌライオンズ2022、2日目は
・インダストリークラフト
・デジタルクラフト
・フィルムクラフト
・デザイン
・エンターテインメント
・エンターテインメント for ミュージック
・エンターテインメント for スポーツ
の7部門の受賞事例が発表されました。
この記事では
・フィルムクラフト
・エンターテインメント
のグランプリを簡単にまとめていきます。
PENNY「THE WISH」
フィルムクラフト部門グランプリ
映像作品の芸術性を評価するフィルムクラフト部門。グランプリを獲得したのは、ドイツを拠点とするスーパーマーケットチェーンのPENNYのブランドムービー「THE WISH」でした。
この動画のテーマは「コロナウイルスによって失われた、若者たちの2年間」。ロックダウンのせいで様々な経験ができなかった若者の母親目線で「コロナウイルスが無かった場合の2年間」を描き、「コロナ禍が明けたら、ドイツ中の若者がこの2年間を取り戻せることを願っています。」というメッセージを伝えています。
動画は、息子が母親に「クリスマスに何をお願いするの?」という質問をするシーンから始まります。質問に対して、母親は「あなたが私たちに黙って家を抜け出して夜遊びしてほしいと願う」「あなたが親に黙って家でパーティーを開き、ガールフレンドを作ってほしいと願う」といった予想外の回答を繰り返します。そこには母親の「息子にこの2年間を取り戻してほしい。」という願いがありました。
映像として特徴的なのは、全編が一つの家の中で撮られていること。まるでワンカット撮影のようなカメラワークによって2年間という時の流れをエモーショナルに描いています。
Swedish Food Federation「EAT A SWEDE」
エンターテインメント部門
エンターテインメント部門のグランプリを獲得したのはSwedish Food Federation(スウェーデン食品連盟)の「EAT A SWEDE」でした。
「EAT A SWEDE」は直訳すると「スウェーデン人を食べてください」。18分間の動画では、スウェーデンの科学者が人間の幹細胞からできた人工肉を増殖させることに成功し、人々に食べてもらうという衝撃的な映像が流れます。
実はこの映像はドキュメンタリー風のフィクション、いわゆるモキュメンタリー。「このまま世界人口が増加しても、人間の肉を食べなくてすむように、持続可能な食糧生産を実施する必要がある。」というメッセージを伝えるためのものでした。もちろん映像内の肉も人間の肉ではありませんが、実験に参加した人が「今食べたのは人間の肉です。」と伝えられた時のリアクションは本物とのこと。
特設サイトでは、スウェーデンの食糧生産は世界最高峰レベルで地球環境に配慮したものであり、世界の国々にも「EAT LIKE A SWEDE(スウェーデン人の様に食べてほしい)」を実践してほしいという内容が語られています。
その他部門のグランプリ作品は下記のマガジン「カンヌライオンズレポート」の記事内で紹介しています。是非、ご一読ください。
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