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カンヌライオンズ2022 速報 - クリエーティブエフェクティブネス、クリエーティブコマース、モバイル部門

2022年6月20日~24日に渡り開催されているカンヌライオンズ2022。1日毎に複数の部門の受賞者が発表されていきます。本記事シリーズでは、カンヌライオンズ2022のグランプリ受賞作品を発表翌日に速報的にご紹介していきます。

6月21日、22日、23日、24日、27日の5日間の22時から、TwitterのSpacesにてグランプリ受賞作品についてディスカッションを実施していますので是非聴きに来てみてください。

https://twitter.com/i/spaces/1ZkKzbmvqrqKv

カンヌライオンズ2022、3日目は
・クリエーティブエフェクティブネス
・クリエーティブストラテジー
・ブランドエクスペリエンス
・クリエーティブコマース
・イノベーション
・モバイル
・クリエーティブビジネストランスフォーメーション

の7部門の受賞事例が発表されました。

この記事では
・クリエーティブエフェクティブネス
・クリエーティブコマース
・モバイル
のグランプリを簡単にまとめていきます。


Michelob Ultra「CONTRACT FOR CHANGE」
クリエーティブエフェクティブネス部門グランプリ

効果測定可能なクリエーティブを評価するクリエーティブエフェクティブネス部門。グランプリを獲得したのはアメリカの大手ビールメーカーABInBevのオーガニックビールブランドMichelob Ultraが実施した「CONTRACT FOR CHANGE」でした。


アメリカでオーガニック食品に対する需要が高まっている一方で、有機栽培への移行には3年の年月がかかり、その間は生産高が減少してしまうためほとんどの農家が移行に踏み切れないという問題がありました。

そこでMichelob Ultraは麦芽農家の有機栽培への移行を支援するため、オーガニックビール「ミケロブウルトラピュアゴールド」を製造し、有機栽培への移行を図る3年間は契約した農家の生産した麦芽を買い取ることを保証しました。また、移行中に生産高が減少してしまう分、従来の非オーガニックの麦芽を通常の25%高い価格で買い取ることも約束しました。

この施策はアメリカ全州の麦芽農家を対象としており、本記事にリンクを貼っている2021年6月公開のケースムービーによると、10万エーカー以上の農地が有機栽培に移行し、有機栽培農地の生物多様性は、従来の農地と比べて34%増加したとのことです。


WINGSTOP「THIGHSTOP」
クリエーティブコマース部門グランプリ

販売や支払いといったシーンにおけるアイデアを評価するクリエーティブコマース部門。グランプリを受賞したのは、手羽先を主としたメニューを販売するアメリカのレストランチェーンWINGSTOPのeコマース施策「THIGHSTOP」でした。

コロナ禍の間に手羽先のテイクアウト需要が急増しましたが、鳥の飼料コストの上昇などによってアメリカの手羽先の平均価格はコロナウイルス流行以前の2倍以上に上昇。それは鶏もも肉以上の高価格でした。そこでWINGSTOPは手羽先の代わりにより安価な鶏もも肉を使った商品を販売するオンライン販売限定ブランド「THIGHSTOP」を立ち上げました。

「THIGHSTOP」の誕生を知らせるプロモーションとして、CMのWINGという単語が出てくる部分を無理矢理THIGHに差し替えたり、ラッパーのリック・ロスを起用した広告を展開したりしました。また、WINGSTOPの紙袋やデリバリー用の車に「THIGHSTOP」というロゴが書かれたシールを貼るなど、自らブランドをジャックしました。


結果として、「THIGHSTOP」の立ち上げから1週間で6.5億以上のインプレッションを獲得し、売り上げは前年比110%以上となりました。


Google「REAL TONE — PRODUCT INNOVATION & GLOBAL CAMPAIGN」
モバイル部門グランプリ

スマートフォンやタブレットなどのデバイスを活用したクリエーティブを対象としたモバイル部門。グランプリを獲得したのはGoogleの新しいカメラ技術「RealTone」及び、その一連のプロモーションでした。

これまでのカメラには「暗い肌の色を正確に写すことが難しい」という課題がありました。その課題に対しGoogleは、世界各国の写真家や撮影監督といった画像の専門家の監修を受けながら、暗い肌の色を正確に表現する技術「RealTone」を開発。最新のスマートフォン「Pixel 6シリーズ」に導入しました。開発の様子は下記のリンク先からご覧になれます。

「RealTone」の代表的な機能としては、「顔検出」「オートホワイトバランス」「逆光の緩和」「顔のぼやけ防止」などがあり、それらは下記のサイトで紹介されています。

「RealTone」及び「Pixel 6シリーズ」のプロモーションとしては、実際に「Pixel 6シリーズ」で撮影されたグラフィックの数々が使用されています。

日本でも、お笑い芸人のアントニーさんが出演するWEBムービーなどが公開されました。


その他部門のグランプリ作品は下記のマガジン「カンヌライオンズレポート」の記事内で紹介しています。是非、ご一読ください。


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