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カンヌライオンズ2023 速報 - クリエーティブエフェクティブネス、モバイル部門

2023年6月19日~23日にかけて受賞作品が発表されるカンヌライオンズ2023。昨年に引き続き、各部門のグランプリ受賞作品について、速報的にまとめていきます。

4日目は
・クリエーティブエフェクティブネス
・クリエーティブストラテジー
・ブランドエクスペリエンス&アクティベーション
・クリエーティブビジネストランスフォーメーション
・クリエーティブコマース
・イノベーション
・モバイル

の7部門の受賞作品が発表されました。

この記事では
・クリエーティブエフェクティブネス
・モバイル
のグランプリを簡単にまとめます。

クリエーティブエフェクティブネス部門グランプリ
MONDELEZ「SHAH RUKH KHAN-MY-AD」

クリエーティブエフェクティブネス部門のグランプリを受賞したのは、アメリカの食品メーカーモンデリーズ(Mondelez)が有するチョコレートブランドであるキャドバリー(Cadbury)が実施した「SHAH RUKH KHAN-MY-AD」。クリエーティブエフェクティブネスはその名の通り、クリエ―ティブによる目に見える効果を評価するため、2019年~2022年のショートリスト作品のみエントリーが可能な部門です。

新型コロナウイルスの影響でオンラインショッピングが利用され始めたインドでは、小規模商店が売り上げ減少に苦しんでいました。そこでキャドバリーは、誰もが自社の広告にインドのムービースターであるシャー・ルク・カーンを起用できるAI広告生成システムを作りました。

商店側は自店舗の場所や業種、店名を打ち込むことでキャドバリーが用意した動画に出演するシャー・ルク・カーンに「ディワリ祭では、(店名)で買い物をしよう」と推奨してもらえます。実は動画はAI技術とディープフェイクを駆使した特別なもので、シャー・ルク・カーンのセリフと口元の動きは打ち込んだ内容に応じて自在に変化します。そして、作った広告をSNSやYouTubeにアップすることで無償でスーパースターを起用した宣伝ができるという仕組みです。

実際に作られた広告は13万を超え、合計で9400万回以上視聴されたそうです。

また、キャドバリー側は、
・生成された広告内に自社のチョコレートギフトボックスを宣伝する
・ディワリ祭(10月下旬〜11月上旬)の間店舗にチョコレートギフトボックスを置くことをオリジナル広告を作る条件とする
という2つの工夫によってチョコレートギフトボックスを過去最高の3300万個売ることに成功しました.

モバイル部門グランプリ
PEDIDOS YA「WORLD CUP DELIVERY」

モバイル部門のグランプリを受賞したのは、ウルグアイに拠点を置く食品デリバリーサービスの会社PEDIDOS YAによる「WORLD CUP DELIVERY」です。

「WORLD CUP DELIVERY」は2022年のワールドカップにおけるアルゼンチン代表の優勝を祝福する施策です。ラテンアメリカの数々の企業がアルゼンチン代表の優勝に関連する施策を実施する中、PEDIDOS YAは自社のアプリのユーザーに対して「ご注文は配達中です。」という嘘の通知を送りつけました。不審に思ったユーザーがアプリを開くとデリバリーの追跡マップに映ったのは料理ではなく、カタールから飛行機でアルゼンチンへと向かうトロフィーと選手たちの位置情報でした。

カタールからアルゼンチンに帰る30時間の間PEDIDOS YAは飛行機の位置をアプリ上で表示し、「#PedidoYa」は一時Twitterのトレンド1位を達成しました。メディア費を一切かけず、既存の自社アプリ機能のみを利用して多大な広告効果を生み出した秀逸な施策です。

その他の部門

4日目に発表された残りの部門
・クリエーティブストラテジー
・ブランドエクスペリエンス&アクティベーション
・クリエーティブビジネストランスフォーメーション
・クリエーティブコマース
・イノベーション

のグランプリについてはこちらをご覧ください。

また、下記のマガジンでは2022年からのカンヌライオンズの各部門のグランプリ受賞事例について、速報的にまとめていますので是非ご覧ください。


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