勇気をくれたもの

泣くつもりなんて
これっぽっちもなかった

涙はいつも
準備ができていたのに

目頭に
いつも押さえつけられて
逃げ出すことを禁じられていた

解放されたい
でも苦しみの正体が分からない

身体中に絡みついて
圧力がかかっている

圧力を跳ね除けることに
体力を奪われていた

涙さえ流すことができれば
もっと自由になれるのに

よく我慢してる
という言葉に
偉かった
という言葉に

敏感に反応して
目頭に力が入る

僕は僕に
もっと優しくなれたらいいな

誰とも勝負をしてないのに
自分に勝ってしまう
自分を負けさせてあげたい

一筋の涙が流れた時
僕の傷を癒す準備が整う

二粒の涙が流れた時
悲しみが顔を見せる

悲しみは
僕が思う以上に
包容力があって

少しだけ
僕に
勇気をくれた

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