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俳句

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2021年3月の記事一覧

俳句

俳句

「我も又 仏弟子のうち 涅槃像」

涅槃像は釈迦入滅の場面です。

沢山の弟子達から、動物までが

その死を嘆いています。

私も仏弟子の一人なので、悲しみの

輪の中に居るのです。

某新聞入選句

日本で一番発行部数の多い某新聞、

地方版に短歌・俳句を投稿しています。

2月26日入選作

「枯蓮の 傾きに似る 我が心」

蓮が大好きです。花の時季だけでなく、

冬の枯れた姿も魅力的!

イケバナ作家としては、とても面白い素材でも

あります。

寒々とした冬の一日、池の周りを歩いていたら

枯れた蓮の姿が目に入りました。

その茎の曲がり・葉の縮み具合に目を奪われ

ました。私の心象風景

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愚作 俳句

「東京タワー スカイツリーも 今日朧」

新宿の高層ビルに上りました。

遥か西の山々・富士山はうっすら見えました。

しかし都内中心部に目をやると、全ての景色が

薄くボンヤリとしています。

朧の言葉を実感しました。高い所から見る、

東京が大好きです。

愚作 俳句

愚作 俳句

「春深し 誰の訳なる 源氏読む」

若い弟子が「源氏物語」を読んでいると

聞きました。私が最初に読んだのは

「与謝野訳」でした。

現在迄のお気に入りは「谷崎源氏」です。

多くの人の訳があり、選択に迷う程ですね。

平安後期の歌人 藤原俊成{定家の父}は

「源氏読まざる歌人は、遺憾なり」と喝破

しました。私はここへ「茶人」も加えたいと

思っています。

広く日本美術を理解する為に「源氏

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愚作 俳句

愚作 俳句

「うららかに 織部の緑 窯を出る」

百貨店の美術部に勤務していたので、

瀬戸や美濃の陶芸家を良くお訪ねしました。

親しくなった美濃の某先生のお宅では、

折良く窯出しに立ち会う事が出来ました。

流石お得意の織部焼、いづれの品も見事な

出来上がりです。

「大川君、どれが気に入った?」「はい、

この皿が」と品物を指さしました。

「それでは、お土産にこれを上げよう」

飛び上がる程うれし

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俳句 春愁

俳句 春愁

「春愁や スタンプにじむ パスポート」

父母の介護に追われていた日々。

くじけそうな気持を支えてくれたのは、

沢山の海外旅行の思い出です。

良く古いパスポートの束を取り出しては、

見入っていました。「あの街では・・」

「この空港の係員は・・」滞在したホテルや

レストランまで蘇ります。

色々な国のスタンプが、にじんで見えました。

俳句 落花

「花散るや 人々急ぐ 丸の内」

何処からか、風に乗って花びらが舞っています。

その美しい風景は、誰も目に入らない様です。

まるで関係なさげに、人々は職場へ向かいます。

忙しいとは{人の心を亡くす事}古人の言葉を

改めて思い出した朝でした。

俳句 胸の奥には

俳句 胸の奥には

「恋の記憶 いくつも重ね 春の夜」

暖かく甘やかな風のせいでしょうか?

しきりに若き日の、沢山の恋の思い出が

浮かんで来ます。

恋する事に夢中だったのか、その人に

ただただ魅かれていたのか?

いづれにしても苦しい・激しい恋ばかり

経験して来ました。

いくつもの恋の記憶が押し寄せて、とても

眠れそうにありません。