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茶道具

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2023年5月の記事一覧

経験

経験

点前終盤、蓋置と柄杓を棚に飾りました。(まあ流石!きちんと奇数を正面になさって)賽子形の蓋置です。
お点前さんはヴェテランなので、1を前面にしました。

何も言わずに見ていると、平気で偶数を前にする人も・・奇数偶数・陰と陽を説明指導する、必要があるでしょう。

薄茶器、蓋に時鳥の蒔絵があります。ほぼ横向きの、柄です。
その棗で点前をした人が、鳥を少し上向きにして使いました。(そうですね、やはり鳥だ

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足 一二本

恩師三田富子のお供で、世田谷区の有名な茶人に招かれました。
ご自宅の八畳間に通ると、長板の二つ置でした。左側にすっきりした朝鮮切合の風爐。江戸名越家初代弥五郎家昌の作と、聞きました。
隣は唐物青磁三つ足で、元は香炉らしき形です。

(先生、水指は二本足を前にしていました。三本足は、一つを手前が約束では?)帰路お尋ねしました。
「きっと風爐が一つ足で陽、水指が
二つ足で陰になさったのでしょう」

(

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茶杓の櫂先

世に言う「歴代茶杓の写し」を、時折稽古に使います。社中は茶杓の裏側に書かれた「歴代お家元の名前」を見ています。
(もう良い加減に、櫂先に特徴ある形は覚えなきゃ。ほら一番印象的なのは、どなたの作?)
「はい、14代淡々斎のお作です。先端が尖っていますよね!」「私は8代玄々斎・13代円能斎作の、幅広を覚えいます」うれしい声も有りました。

これと逆に「利休居士作」と同じ丸形の櫂先だと、見分けは難しくな

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茶の湯稽古場より 衣

床に公家短冊「夏衣 夏ぞ来て薄き衣にかへつれど 忘れがたきは花染めの袖」(原文は万葉仮名)冷泉為紀卿
を掛けました。為紀様は冷泉家、当代より四代前・幕末の方です。

夏衣を出したので、花は(京鹿の子)花入(14代淡々斎好み・繭籠)香合(螺鈿小箱。自分では簡単な取り合わせ~と思いました。

花入は解った人も、いましたが・・
鹿の子は、首をかしげます。私から(ほら和装で、鹿の子と言えば)ヒントを出して

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初風炉の釜

初風炉の釜

炉の季節は殆どと言って良い位、丸い形の釜ばかり使いました。なれば初風炉は、筒形など印象がハッキリ違う品を使いたい!

筒形の代表選手「雲竜」は、既に釣り釜で使用済み。シンプルな筒釜でも良いのですが・・・

葵祭に寄せて「車軸釜」それともメデタク「富士釜」んー

風炉釜を探していて、はたと良い考えが浮かびました。大宗匠15代家元お好み「六瓢釜」です。形・蓋の摘まみ・地紋に二つ・カンツキ・で合計6個の

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初風炉の香合

例年の掛け軸なら、香合も青貝・堆朱などの格調高い品にしたでしょう。
しかし軽い掛け物に決めたので、香合も違う物にせねばなりません。

茶友とこの話をしていたら「大川さん色々珍しい古材香合、お持ちでしょう。それをお使いになれば?」勧められました。
しかし初風炉から、古材はありえません。炭手前の「盆香合」か、秋にこそ相応しいと思われます。

重ね色紙青楓の絵か、平丸八つ橋蒔絵にするか~軽くかるーく、口

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初風炉の掛け物

長い間初風炉と言えば、改まった軸「禅語」を使って来ました。その語句を
説明して、学びの足しにと考えていたからです。
所が余り効果が無く、残念!

なので本年は、軽い掛け物を・・
秘蔵の世尊寺流の古今和歌集夏歌 巻頭。公家詠草。茶人短冊。などが、候補です。

何と言っても、床の中心は軸です。
それが決まらないと、他の道具が出せません。

「自分の好きな道具だけ、使おう」と
心を決めました。

茶会点描 夜店

2日に招かれた茶会。
内の一つが、O千家流でした。この席がスゴイ!と言うか、びっくりしました。

コロナ下なので、時間制の入席。は
良いのですが「時間が押している」との事で、お菓子・お茶を頂くのをセカサレ~
もう一点は、30人ぐらいの席なのに
「数茶碗」を使わないので・・沢山の種類の焼き物が登場、見ていて混乱しそうでした。

しかもそれらを、一つずつ解説。四客さんのは・いま出したのは・とのご丁寧な

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