パイサーン師タンマヤートラでの説法~ブッダが選んだ修行の地:森をケアし、法をケアする意義~
今年12月1日~8日まで
東北タイのチャイヤプーム県内で行われた
タンマヤートラ(法の巡礼)で
パイサーン師がお話しされた説法が
ネットにアップされましたので
少しずつ翻訳していきます。
今日も、一昨日&昨日に続き
2日目の夕べの説法から抜粋してお届けします。
テーマは
「ブッダが選んだ修行の地:
森をケアし、法をケアする意義」
としました。
決して時代遅れとならない森。
その森の大切さについて語られています。
なぜそこまでお坊さまたちが森を大切にしているのか?
その思いを今日は
お伝えできるのではないかと思います。
。。。。。。。。。。
(2017年12月02日 夕べの読経後の説法より抜粋)
森は私たちの体だけではなく
心も癒してくれるものです。
どれだけテクノロジーが進んでも
この森の癒しを必要としない人はいないでしょう。
私たちは今、別の森に囲まれていることが多いかもしれません。
その森とはなんでしょう?
コンクリートの森、です。
その森は一見、とても先進的で発展していて
快適であるかもしれません。
しかしそのコンクリートの森ばかりに長らくいると
あっちが痛くなった、こっちが痛くなった
ストレスを感じる、イライラする、、
など体と心に影響が出てきてしまいます。
どのような環境に暮らすかということが
私たちの人生に大きく影響を与えてくるのです。
皆さんもどうぞ、自分自身を観察してみてください。
私たちの体と心に、環境が深く影響する。
とりわけ、心をより開発させ、発展させていくのに
自然がとても重要な役割を果たしていきます。
心の可能性を最大限に引き出すのに
自然環境がとても大切であること、
実はブッダもこのことをご存知でいらっしゃいました。
ブッダの人生の中で、
森や自然の木々がどれだけ重要であるか
それを思い起こしてみると良いでしょう。
みなさんご存知だと思いますが
ブッダは、ブッダガヤという地で悟りを開かれましたね。
悟りを開く前、この土地の様子をご覧になったブッダは
こうおっしゃったと言います。
「この場所は、本当に修行にふさわしい土地であるなあ。
木々は豊かに茂り
川は清らかに流れている。
その水も透き通るように純粋で
大地もゴツゴツせず、
托鉢に歩くのにちょうどいい平坦さである。
この地は、修行に専念するのに
とてもふさわしい場所である」
こうしてブッダはこの地での修行を選ばれ
菩提樹の下での修行に専念し
悟りを開かれたと言われています。
自然環境が心の修行に与える影響を、
ブッダご自身も修行の中で感じておられたのでしょう。
自然が心の修行を手助けしてくれる。
この信頼がブッダの中にあったのだと思います。
ブッダが悟りを開かれた後、
初めて法を説いたのも、自然の森の中でした。
ブッダの弟子たちの多くもまた
自然の森の中で悟りを開かれたと言われています。
法(タンマ)と自然(タンマチャート)
は密接な関係があるのです。
今回のタンマヤートラのテーマ
ラクサー・パー、ラクサー・タム
(森をケアし、法をケアする)
というのもそうした意味が込められているのです。
私たちは森に入って
単に心をリラックスさせたり、
癒しを求めたりするだけでは十分ではありません。
森をしっかりとケアし、法の学びの実践へと
つなげていくことが大切なのです。
自然の森をしっかりと洞察していくと
また私たちの人生、とりわけ心に大きな智慧を
育んでくれるものとなるのです。
。。。。。。。。
浦崎感想
自然環境が私たちの体と心に
深く影響を与える。
人間も自然の一部ですので
だれしもこの影響を免れることができないものですね。
当たり前といえば、当たり前ですけれども
そのことをついつい忘れ
自然とどんどん切り離された生活に慣れてしまい、
どんどん苦しみが生じやすく
癒されにくい環境に
身を置いてしまっているのかもしれません。
ブッダもまた
もっとも大切な修行の場所を
しっかりと選んでおられた、、ということ。
私はパイサーン師の説法や
もうお一人有名なプッタタート師という
タイのお坊さんの本を読むまでは
そこまで大切だと思うことはありませんでした。
ブッダというと、
とても神秘的で遠い存在だったのですが
タイのお坊さまが語るブッダの姿は
彼らの「先輩」とでもいうような感じで
その生きざまがすごくありありと想像されてきます。
当時のインドと、今のタイとでは
もちろん自然環境も違いはあるでしょうが
森をメインとした自然の大切さを知っている
という点は似ているのだろうと思います。
私も今、見渡せば
緑ばかりのところに住んでいます。
ブッダの生きた時代に比べたら
はるかに便利で、快適!
こうした幸運にある今、ここでの修行を
大切にしていきたいと思います。
明日からはまた
タンマヤートラの別の日の説法にうつりますね!
まだまだ旅は続きます。
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