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【書く】手

朝晩七時にお題が届く執筆アプリ「書く」より
お題:手


自分の手、手相が薄い。

骨がごつごつしているところとか、指が細くて綺麗なところとか、好きなところは沢山あるけれど、その中でも、手相が薄いところが割と好きだ。

手相が薄い。

占い好きの友人や親戚に、これはわからない、と突き放されてきた手。

運命に縛られまいと、叫んでいるみたい。

たとえば、宝探しに行くという明確な目的があれば、宝の地図は必須だろう。だけどもこの人生、どう生きてどう死ぬか。明日にはもう生きていないかもしれないなら、何も見ずに、地図に頼らずに、冒険してみたいと思うのだ。

まあ、手相というのは、手を使えば使うほど濃くなるらしいから、私は特別手に力を入れることなく生き延びてきてしまった、ということである。しばらくフライパンより重たいものは持っていない。

宜しければ。