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天体観望会の主催者が設計したい1つの動線

「星とかって興味ある?」と聞くと
「興味はあるけどよくわからなくって・・・」と言われることがほとんど。

どんな趣味でも「なんとなく」「無関心」が大多数だ。

私の周囲を見回しても「星かあ・・・」っていう反応される。
でもそういった人たちにちょっとした「へえ~」っていう豆知識を話すと食いついてくれることがある。

私はその「へえ~(ちょっと興味)」っていう顔を見るのが好きだ。
だから「なんとなく層」を「ライトファン」に引き込むことに興味がある。

「ファン」層って4つの層がピラミッド状になっているイメージ。
(コアが頂点で無関心が土台)

上・コアなファン層
 ↑ ・ライトなファン層
 ↑ ・ファンになるかも層
下・無関心層

ピラミッドの下の層にいくにつれて人口が多くなる。つまり無関心層がイチバン多い。

そして次に多いのが「ファンになるかも層」これは潜在層ともいわれる。
何かのキッカケがあればハマっちゃう人たち。

「ファンになるかも層」と「ライトファン層」は活発に流動するし、どの層もピシっと線がひかれているわけではなくグラデーションだ。
ハマりっぷりは人によって違うし、その人の状況によって変わる。流動的だなぁと思う。

私のサイト宙ガール.comは基本的に「ファンになるかも層」と「ライトなファン層」の間のグラデーションの部分の人達をターゲットにしている。
そして記事によってどの層にベクトルが向いているか考えて作成している。


天体観望会はどうだろうか?

天文台や科学館のほうが「コア・ライトファン層」は多いだろうし、ショッピングモールや学校の観望会は「ファンになるかも層」が多くなるだろう。

多くの天文台のようにWeb上や専門誌でのお知らせのみの場合、自ら情報をとりに行く必要がある。星に詳しくなければ「天文台で観望会をしている」ことなど知らない人も多いだろう。
特別な天文現象がない限り専門的な場所に「ファンになるかも層」を集客することは難しい。

ショッピングモールなどの大型施設の場合は、チラシやポスターが不特定多数の人の目に止まる。「近所で開催されるなら話のタネに行ってみようか」と思う人が必然的に多くなる。

「ファンになるかも層」を集客したい場合は、交通の便がよかったり人がたくさん集まるような場所で開催し、不特定多数の人に対してアプローチをかける必要がある。
こういう場合の集客方法はwebよりも折込チラシ、ポスティング、ポスターなどが有効だと感じる。

私が主催している観望会は「ファンになるかも層」をメインターゲットとして企画設計している。

開催場所のスポーツ施設が神戸電鉄の中吊り広告をしてくれたり、施設の広報誌が三田市と神戸市北区の小学校に配布されたりと不特定多数に告知ができるからだ。

通勤途中のサラリーマンが中吊り広告をみて「このイベント・・近くだし子供に見せてあげたいかも」と思うこともあるだろう。
小学校で配布された広報誌を見て「おかあさん!ぼくこのイベント行きたい」「近いしいいわよ」という親子の会話があるかもしれない。

そんな感じを想像してる。

だからわかる人にしかわからない「観望会」や勉強イメージの強い「観察会」という言葉は使わないし、「天体望遠鏡で月と星を見よう」というタイトルにしてイベント内容が子供でもイメージしやすく、気楽においでよっていう気持ちになるようにと名づけた。

だから「気軽に観望会に来た人をどうやってライトファンに引き込むか」って、けっこう考えながら企画設計してたりする。

その中で「次につながる何かを設計すること」がとっても大事だと思っている。
それは観望会で星を見て興奮している人に次の動線(ステップ)を用意してあげること。

鉄は熱いうちに打てってやつ。

せっかくのイベントだから観望会でワクワク全開で興奮してもらいたいし、その気持ちを冷めさせない手立ても用意しておきたい。

それがファン開拓ってことなのかなと。

1月に開催した観望会では、お客さんが家から持参した天体望遠鏡を星空案内人さんがレクチャーした。
これも、次から家で気軽に見ることができるので「次につながる何か」だと思う。

今年の夏は、小冊子を作成してそこに「次につながる何か」を練りこみたいと考えている。
そこには、すぐにポチれるオススメ本やアプリを掲載したり、自宅での火星観望についてだったり、すぐに行ける公開天文台の情報も入れたり、、、何が良いのかグルグル考えてる。

個人的には観望会に移動図書館を呼びたい。。。
購買のハードルは高くても、とりあえず興味ある本を借りて読むのは行動しやすいんじゃないかな・・・と。(余談)

私はアイデアマンではないので、できそうなことをコツコツやってトライアンドエラーを繰り返すしかないのだけど。

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「次につながる何か」を考えるには「お客さんがワクワクしていること」という前提条件がある。

こういうことを考えられるのも協力してくれる星空案内人がいてこそなんだよなーと書きながら改めて思う。そういう方々に協力してもらえる自分はとっても恵まれているし、だからこそ色んな企画を考えて試して真剣に試行錯誤しなきゃと思う。

星空案内と観望会の企画は必要なスキルが全く違う。ここは別の機会に語るとして。

個人的な感覚だけど全国的に見たときに星空案内人の数は足りないと思っているし。さらにいうと企画ができる人はさらに少ない。
仲間うちだと閉鎖的になりがちな場合もあるだろう。

そもそも資格ある人だけの世界ではないので、そこに固執してもいけないし。専門知識を活かすためには土台となる基礎スキル(プレゼン力とか)も磨いたほうが絶対良い。

星空の楽しみを分け合う。

観望会はそんな場だ。

だから「見せたらおわり」ではない何かをいつも模索している。

そんな感じ。

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